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【東奥日報】 資源回復へ責任 重み増す/クロマグロ漁獲規制

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 絶滅の恐れがあるとされるまでに数が減った太平洋クロマグロの資源管理を関係国・地域が話し合う中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)の北小委員会が、親魚の資源量の回復動向によって漁獲枠を増減させる新たな規制策に合意した。増枠に道を開く日本の提案が受け入れられた形だが、その条件は当初案よりハードルを高めており、漁業関係者にとっては厳しい規制が続くことになる。
 また2034年までに親魚の量を、14年の7倍超の約13万トンに回復させる長期目標を設けることでも一致した。目標設定に消極的だった日本が歩み寄った。
 日本は太平洋クロマグロの最大の漁業国であり消費国だ。だが今年6月までの漁獲規制では漁獲枠を超える道府県が相次ぎ、他国からは厳しい視線が向けられている。資源回復に向けた目標達成へ、日本は一段と重い責任と努力が求められている。
 高級トロの材料として日本の市場で高値で取引される太平洋クロマグロは乱獲が問題化。14年の親魚の資源量はピーク時のほぼ1割に当たる約1万7千トンまで激減した。
 WCPFCはこれを、24年までに約4万1千トンに回復させることを目標に掲げ、30キロ未満の小型魚の漁獲量を02~04年平均から半減させる規制を15年に導入した。
 新たな合意では、この目標の達成確率が60%を下回れば今後の漁獲枠を減らし、確率が75%を超えれば漁獲枠を増やせる仕組みを導入する。漁の先細りを懸念する漁業者に配慮しつつ、資源を守る議論を前進させたといえる。
 一方、日本で相次いだ漁獲枠超過は、他の魚を狙う定置網に小型のクロマグロが混ざる「混獲」が影響している実態もある。
 本県でも今夏の太平洋側の定置網漁で小型クロマグロが集中してかかり、1カ月で年間の上限を超える漁協があった。漁協同士で漁獲枠を融通し上限内に収める検討がされる見通しだが、マグロ規制のために定置網を使えず、他の漁獲にも支障が出れば、漁業者には死活問題である。
 資源回復に向け、漁業現場がより厳格な資源管理を求められるのはもちろんだが、定置網にかかったクロマグロを逃がす技術開発や、資源管理に取り組む漁業者への経営支援など、国などには、現場が抱える課題解決に向け一層の取り組み強化を求めたい。

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