Home > 社説 > 地方紙 > 近畿地方 > 京都新聞(京都府) > 【京都新聞】 待機児童  解消に財源確保を急げ
E200-KYOTO

【京都新聞】 待機児童  解消に財源確保を急げ

そう思わないそう思う (まだ投票していません)
Loading...

 希望しても保育所などに入れない待機児童が、今年4月時点で2万6081人に上ったと厚生労働省が発表した。昨年より2528人多く、3年連続の増加だ。
 政府は施設整備を進めてはいるが、保育ニーズの高まりに追いついていない。今年5月には、2017年度末までに待機児童をゼロにするとしていた目標を「20年度末まで」に先送りした。子育てしながら安心して働ける環境づくりを急がなければならない。
 厚労省は今春、待機児童の定義を見直し、保護者が育児休業中でも復職の意思があれば集計に含めることにした。さらに、積極的に待機児童を認定しようとする自治体もある。岡山市は14年度までゼロだったが、自宅近くに保育所の空きがあっても希望した3カ所に入れなければ待機児童とみなすことにした結果、15年度134人、16年度729人、今年4月時点で849人まで増えたという。
 特定の施設だけを希望しているなどの理由で、集計から除外された「潜在的な待機児童」は昨年より約2千人多い6万9224人に上った。岡山市のように実態を把握しようとする試みは重要だ。他都市にも広げるべきだろう。
 増え続ける保育ニーズに対し、政府は6月に、18年度からの新たな計画「子育て安心プラン」を公表した。22年度末までの5年間で32万人分の保育の受け皿を整備する内容だ。企業が従業員向けに設置する「企業型保育所」を有力な施策と位置付け、前倒しで整備する方針も明らかにしている。
 施設整備は確実に進める必要があるが、これで待機児童が解消できるかは不透明だ。保育所などの定員は今年、約9万3千人分増えたが、利用申込者数も約265万人で9万人以上増え、過去最多を更新しているからだ。子どもの数が減る一方、女性の就業率は上昇を続けており、保育ニーズのピークがいつかは見通せない。
 財源についての議論が欠かせない。保育所などの運営費は13年度8853億円から、17年度1兆5020億円とほぼ倍増している。今後、施設を増やしても保育士の確保は厳しくなっており、他業種に比べて低賃金とされる待遇改善も急がねばならない。運営費などがさらに増えることは確実だ。
 安倍政権が掲げる「人づくり革命」は幼児教育・保育の無償化などが柱だが、待機児童解消とともに財源の確保は容易ではない。
 子育て世帯を支援するための政府の本気度が問われている。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。