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【西日本新聞】 ビッグデータ 競争環境をどう整えるか

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 インターネット上の検索や交通系ICカードの利用歴、工場での機器の稼働状況など、私たちの消費生活や産業活動は日々、膨大な情報を生み出している。ビッグデータと呼ばれるものだ。
 集まった情報を多方面から分析すれば商品開発などに役立つ可能性もあるため、産業界で注目されている。最近では「ヒト、モノ、カネ」に次ぐ「第4の経営資源」ともいわれている。
 公正取引委員会が、ビッグデータと競争政策の在り方を検討し、不当なデータ独占などに対して独占禁止法の適用も視野に検討する考えを公表した。
 情報技術(IT)の進展に伴い、企業にとってデータの集積や活用の重要性が増す中、情報の囲い込みで消費者が不利益を受けないようにするのが狙いという。
 会員制交流サイト(SNS)のフェイスブックや検索大手グーグルなどを念頭に「大量のデータが一部事業者に集中しつつある」とし、消費者利益が損なわれる恐れのある場合は独禁法による迅速な対応の必要性を訴えている。
 海外では、ドイツ連邦カルテル庁が独占的地位を利用したフェイスブックの情報収集を問題視し、調査に入った事例がある。日本も早急に体制整備を進めるべきだ。
 具体的には、どのようなケースで独禁法が適用されるのか。
 企業が競争関係にある事業者を排除する目的でデータを開示しなかったり、自社製品の保守点検に必要な情報を囲い込んで新規参入を拒んだりすることが想定されている。データ収集では、大企業が弱い立場の取引先の中小企業に一方的に顧客データの提供などを求めることも該当するという。
 人工知能(AI)など最新技術の発達で異業種間での企業合併も今後増えることが予想される。その際にもデータ市場で独占が生じないか注視していくという。
 企業内のデータ活用は原則自由であるべきだが、特定企業が大量の情報を独占することは避ける必要がある。データを活用できる競争的な環境づくりを急ぎたい。

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