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【富山新聞】 非核三原則に一石 タブー排した防衛論議を

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 北朝鮮が行った6回目の核実験は、分析が進むほど爆発規模が上方修正され、広島に落とされた原爆の10倍もの威力だったという。北朝鮮の言う通り、水爆開発に成功した可能性が高まっている状況を受けて、自民党の石破茂元幹事長が、米軍の核兵器を日本国内に配備することの是非を議論すべきとの考えを示した。「持たず、つくらず、持ち込ませず」の非核三原則の見直し論議に一石を投ずる発言である。
 石破氏には、党内野党的な立場から安倍政権に問題を提起する政治的な思惑もあるのかもしれないが、核兵器を「持ち込ませず」の原則と、米国の「核の傘」に守ってもらう日本の防衛政策に矛盾はないのか、という石破氏の指摘は以前からあり、北朝鮮の核・ミサイル開発に対する強い危機感からなされたものであろう。タブーにとらわれぬ根本的な安全保障論議を国会で行わなければならないときと認識したい。
 非核三原則を国是とする日本に対し、マティス米国防長官は「核の傘」提供による拡大抑止力の維持をあらためて小野寺五典防衛相に確約した。が、北朝鮮が米本土を直接攻撃できる核搭載ICBMを実際に配備したとき、米軍の拡大抑止が本当に機能するのかという不安は拭えない。
 唯一の戦争被爆国として、核兵器の製造、保有は論外だが、三原則のまま米軍の拡大抑止を当てにしていてよいのかというのが石破氏の問い掛けであり、安全保障の議論として不思議ではない。
 ロシア、中国に加え、粗暴な北朝鮮が核・ミサイル保有国として登場する東アジア情勢の激変で、日本は非核三原則の維持が難しい状況に追い込まれ、危機感を持って防衛論議をしていることを国際社会に伝えるだけでも、政治的な意味があるのではないか。
 憲法は核兵器保有を必ずしも禁じていないというのが政府見解であるが、菅義偉官房長官は非核三原則堅持をあらためて表明した。戦後の防衛政策見直しの現実論としては、「敵基地攻撃能力」を保有する意義について認識を深めることがより重要であろう。

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