Home > 社説 > 全国紙 > 産経新聞 > 【産経新聞】 わいせつ教員 情報共有はあたりまえだ
E030-SANKEI

【産経新聞】 わいせつ教員 情報共有はあたりまえだ

そう思わないそう思う (+1 点, 1 投票)
Loading...

 子供にわいせつ行為をして処分された教員について都道府県の教育委員会が情報共有するシステムが検討されている。
 処分歴を隠して他の地域で教壇に立ち、事件を繰り返す例が後を絶たないためだ。子供を守る、あたりまえの情報共有がなされていない現状にこそ驚く。早急に改善策を講じるべきだ。
 文部科学省が来年度予算の概算要求に「教員免許管理システム」改修の関連経費を盛り込んだ。
 懲戒免職処分や禁錮以上の刑を受けた教員の免許は失効し、官報に掲載される。システムにも登録されるが、検索方法が複雑で、氏名を入力しただけでは失効状況や理由がすぐ分からないという。
 また、現行では官報に載らない停職以下の処分については、自己申告頼みだという。
 免許が失効しても3年たてば再交付可能で、他の教委で採用される例がある。
 児童生徒へのわいせつ行為は、教職者の立場を利用した卑劣な犯罪と銘記すべきだ。停職など極めて重い処分の情報共有をためらうべきではない。個人情報を名目に子供が危険にさらされている。
 今年発覚した例でも、女子児童への強制わいせつ容疑で逮捕された愛知県の公立小の臨時講師は、埼玉県内の小学校教諭時代に、児童ポルノ事件で停職処分を受けたことを隠していた。
 13歳未満の児童を対象とした性犯罪について法務、警察両省庁が情報共有するなど、再犯防止を強化する流れにある。教育界も真剣に取り組むべきだ。
 文科省調査で平成27年度に、痴漢やわいせつ事案で処分された公立学校の教職員は224人にのぼる。不祥事が「連日」報じられるという形容が大げさでない、嘆かわしい現状である。
 教職員らのわいせつ事件をめぐっては、学校や教委が情報を得ながら警察の捜査が及ぶまで調査を行わない例がある。問題ある教員を教壇に立たせず、研修などを行う制度も適用例がわずかだ。事なかれの隠蔽(いんぺい)体質は問題解決にならず、被害を拡大するだけだ。
 「聖職者」という言葉は死語になって久しいが、公教育を担う教員の重要性は変わらない。
 能力、資質を見極める教委の力はもちろん、教員の資質向上について養成、採用、研修それぞれの改善が喫緊の課題である。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。