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【読売新聞】 ODA予算 戦略的貢献で存在感を高めよ

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 国際社会の平和と繁栄に貢献することは、日本の発言権を高める。国益の観点から、政府開発援助(ODA)を戦略的に活用すべきだ。
 外務省は2018年度予算の概算要求に、ODA予算として4897億円を計上した。前年度当初より13%増加した。
 日本のODA予算は2年連続で増えている。だが、ピークの1997年度のほぼ半分に過ぎない。中国は各地で巨額の援助や投資を続けており、このままでは日本の存在感が一段と薄れかねない。
 概算要求は、安倍首相が掲げる「自由で開かれたインド太平洋戦略」の具体化を柱に据えた。成長するアジアと、潜在力の高いアフリカの連携を強化し、両地域を安定・発展させる戦略である。
 そのカギとなる海洋秩序を維持するため、東南アジアの海上保安機関の強化や、アフリカの港湾整備などを支援する。巡視船供与や人材育成は海上交通路(シーレーン)の安全確保につながろう。
 中国は「一帯一路」構想の下、インフラ投資を強力に推進する。自国の権益を優先する覇権主義的な意図が見え隠れする。
 日本は、民間と連動した「質の高いインフラ」の整備により、途上国の自立的な成長を後押しし、差別化を図ることが重要だ。
 日本企業や非営利組織(NPO)の参加を促し、「顔の見える協力」とすることも求められる。
 日本は昨年、国連教育・科学・文化機関(ユネスコ)の分担金約38億5000万円の支払いを一時留保した。中国申請の「南京大虐殺の文書」が「世界の記憶」に登録されるなど、中立・公平性に疑問が生じたためだ。
 資金拠出だけでなく、国際機関の運営にも積極的に関与し、正確な史実や日本の取り組みを世界に的確に発信することが肝要だ。
 河野外相は就任前、無駄が多いとして「ODA半減」を唱えていたが、ひとまず持論を封印した。有償資金協力が債権放棄に至ったり、建設した施設が有効活用されなかったりするなど、現状に課題があるのは否定できない。
 問題点を克服しつつ、ODAを拡充することが望ましい。
 河野氏は行政改革相当時、在外公館の館員削減を主張し、定員4人の在外公館が設置された。外相就任後、「私の失敗だった」と明言し、今回、定員の大幅増や出張旅費などの増額を要求した。
 そもそも日本の在外公館は、主要国に比べて少ない。偏向した発言の撤回は理解できよう。

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