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【読売新聞】 待機児童増加 幼稚園の活用を解消の一助に

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 保育所に入れない待機児童が一向に減らない。早期の解消へ、対策を加速させねばならない。
 厚生労働省が公表した今年4月時点の待機児童数は、2万6081人に上る。前年よりも2528人多く、3年連続の増加となった。
 景気の回復傾向に伴い、子供を預けて働きたい人が増えている。認可保育所などの定員は、昨年より10万人以上拡大したものの、需要増に追いついていない。
 親が育児休業中でも、復職の意思がある場合には、その子を待機児童として数えるなど、厚労省が定義を見直したことも数字に表れているのだろう。
 自治体が独自補助する認可外施設に入った場合など、集計に含まれない「隠れ待機児童」も前年比1870人増の6万9224人に達する。計9万人超の保育ニーズが満たされていない計算だ。需要予測の難しさを物語っている。
 政府は6月に待機児童解消の新プランを打ち出した。22万人分の受け皿を2018年度から追加整備し、20年度末までに待機児童をゼロにするのが目標だ。可能な限り早期に達成したい。
 受け皿拡大策として、新プランが重点を置くのが、2歳児の幼稚園での受け入れ促進だ。
 政府は、3~5歳児向けの幼稚園に対して、保育も行う「認定こども園」への移行を促してきたが、思うように進んでいない。0歳児から預かるためには、設備や人員面の負担が大きいためだ。
 待機児童の7割超を1~2歳が占める。比較的対応しやすい2歳児だけでも受け入れる幼稚園が増えれば、一定の効果はあろう。
 都市部では、用地不足や住民の反対により、保育所の新設が困難になっている。園庭など基本的な設備が整った幼稚園の活用は、待機児童解消の決め手となり得る。2歳児の受け入れを通じ、認定こども園への移行を増やしたい。
 新プランは、企業が従業員向けに設ける「企業主導型保育所」の拡充も掲げる。政府は、今年度末までの整備計画を2万人分上積みして、7万人分にした。
 従業員の働き方に合った運営が可能な反面、保育士の配置基準が認可施設より緩いため、安全面を心配する声もある。職員の研修体制の充実など、保育の質を確保する仕組みが求められる。
 保育士不足は深刻だ。受け皿拡大に必要な人材を確保するには、一層の処遇改善が欠かせない。政府は、新プランを実現させる財源について議論を進めるべきだ。

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