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【佐賀新聞】 地方政局・秋の陣

そう思わないそう思う (まだ投票していません)
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 9月に入り、政局は秋の陣。国政は「安倍1強」が揺らぐ中で、衆院解散・総選挙のタイミングをめぐって憶測が飛び交う。
 県内に目を転じれば、11月まで首長選、議員選が続く。3日告示だった多久市長選は現職が無投票で6期目に入った。10月8日告示の佐賀市長選も3期の現職以外、目立った動きはない。有権者が4年に1度、意思を表示する機会さえ与えられず、行政との距離感が広がらないか、危惧を覚える。
 一方、玄海町、佐賀市、鳥栖市と続く議員選はどうか。佐賀市は採算性に疑問の声が上がるバイオマス事業をはじめ、県都としての都市機能整備など課題が山積する。鳥栖市も県東部の拠点都市として、立地の利点を生かしたさらなる振興が求められる。首長同様、議員の責務は重大である。
 玄海町は人口が5700人弱、県内最少の町ながら、存在は大きい。九州電力玄海原発が立地する基幹エネルギー自治体ゆえだ。
 玄海原発3、4号機は玄海町と佐賀県の同意手続きを終え、3号機は来年1月の再稼働を目指し最終局面に入った。だが緊急時の避難計画など課題は多々残る。稼働後はより安全対策と監視が必要だ。さらに30年に及ぶ1号機の廃炉作業が始まる。それだけではない。再稼働の先には、原発の新増設が見え隠れする。
 再稼働をはじめ原発施設の変更には事前了解が必要だが、玄海原発の場合、権限を持つのは玄海町と佐賀県だけだ。再稼働手続きでは町議会の同意決議を経て町長が最終同意するという手順を踏んだ。国のエネルギー政策と絡んで町議会が再び重大な判断を求められる局面も予想される。
 ではその顔ぶれを選ぶ選挙はどうか。前回は無投票だった。議員選では異例で、なり手不足を浮き彫りにした。そこで今回、議員報酬を引き上げるとともに、定数を12から10に減らす措置を取った。
 現時点では11人が立候補する見通しで、辛うじて無投票は回避されそうだ。ただ唯一の野党議席を確保してきた共産党陣営は後継者が見つからず、擁立断念に傾いている。地域事情もあろうが、政党をしても人材難に直面する。
 「やりたい人、なりたい人より、させたい人」とは、議員に限らず、組織のリーダー論だが、その「やりたい人」「なりたい人」さえなかなか出てこない。過疎地の自治体では議会を廃止して住民が直接審議する「町村総会」を検討する動きも出ている。
 各地で議員のゴシップや不正が露見し、議員という職に対する視線は厳しい。ただ、政策や税金の配分をチェックする議員、議会の機能低下は、ツケとなって住民に回ってくる。処遇を含め、議員はどうあるべきか。一連の議員選を通して考えたい。(吉木正彦)

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