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【熊本日日新聞】 前原新執行部 まず足元を固めるべきだ

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 人心を一新し、党勢回復へ向けて挙党一致で取り組むのではなかったのか。
 民進党の前原誠司代表は新執行部の人事で、いったん幹事長に内定した山尾志桜里元政調会長の起用案を撤回し、大島敦元総務副大臣に差し替えた。出はなからのつまずきであり、前原氏の指導力に疑問符がついた形だ。
 山尾氏の起用は、前原氏が特にこだわって決めたことだ。山尾氏は当選2回だが、子どもが保育園に入れないと憤った匿名ブログを国会で取り上げ、安倍政権を厳しく追及し知名度を上げた。前原氏としては「選挙の顔」になると期待していた。
 しかし党内から「経験不足」との異論が噴出。代表代行への差し替えを一時検討したものの、山尾氏本人の「スキャンダル浮上」の情報もあり、回避する判断に傾いたとみられる。代表選では野党共闘の是非が焦点になったが、山尾氏が共産党との選挙協力を進めた昨年の参院選当時の政調会長だったことも、反発を招いたようだ。
 異論を押し切って党内を混乱させるより、まずは安定した船出を優先させたいことは理解できる。ただ問題なのは、今回のドタバタ劇ともいえる騒動で前原氏の脇の甘さが透けることだ。
 人事構想は、前原氏と側近の小川淳也元総務政務官、代表選で選対本部長を務めた大島氏の3人で秘密裏に進められた。ところが、山尾氏起用への反発の声は代表選で前原氏を支持したグループからが最も強かったという。前原氏には「誤算」だったようだが、支持グループの動向も把握できなかったのなら、先行きが危ぶまれる。
 憂慮すべきなのは、反転攻勢を図らなければならないこの大事な時期に党内の結束のなさをまたも露呈したことだ。人事案を承認した両院議員総会への出席は党所属議員の6割を下回る81人にとどまった。党内の不満が相当数に広がっていることがうかがえる。
 共同通信社の世論調査では、「前原氏に期待する」との回答は40・3%にとどまり、昨年の蓮舫氏就任時の56・9%を大きく下回った。政党支持率も7・5%と低迷したままだ。
 共産党との選挙協力や連合との間合い、国政新党結成を掲げる若狭勝衆院議員との関係など、党としての具体的な方向性はまだ伝わってこない。くすぶった党内の対立を解消するのが容易でないことは分かるが、リーダーが明確な道筋を示さなければ党再生のスタートを切ることはできまい。
 民進党は、細野豪志元環境相ら有力議員を含む離党者が相次ぐなど崩壊の危機にひんしている。そのことは、自民、民進両党による二大政党システムが破綻する可能性があるということだ。その意味で、民進党のかじを取る前原氏の双肩には日本政治の行方がかかっていると言っても過言ではない。
 このままでは有権者にさらに失望感が広がりかねない。自民党に代わる受け皿になりたいのなら、まず足元を固めることが急務だ。

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