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【秋田魁新報】 減少続く給油所 官民連携で早期対応を

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 県内でガソリンスタンドの減少に歯止めがかからない。人口減やエコカーの普及に伴いガソリン需要が低迷していることに加え、大手との価格競争が激しさを増し、地元業者の経営が厳しくなっているためだ。
 ガソリンや灯油は生活に欠かせない。特に本県など高齢化が進む寒冷地の住民にとって、冬場の灯油配達は命綱だ。給油所の維持を民間任せにせず、自治体も地域の実情に応じた新たな事業展開などに積極的に協力していくことが求められる。
 経済産業省によると、全国の給油所は1994年度末の6万421カ所をピークに減少の一途をたどり、2016年度末は3万1467カ所と半減した。県内も同様の傾向で、1994年度末は784カ所だったが、2016年度末は471カ所と20年余りで4割も減少した。
 老朽化した施設の改修に多額の費用が掛かることや、後継者不足も廃業が進む要因となっている。だが、廃業は業者の問題にとどまらない。このまま給油所が減少を続ければ、住民生活に支障を来す地域が増えることが懸念されている。
 経産省は、給油所が3カ所以下の自治体を「給油所過疎地」と定義している。全国では今年3月時点で302市町村、県内では大潟村(1カ所)、上小阿仁村、井川町、東成瀬村(各3カ所)の4町村が該当した。また、最寄りの給油所まで15キロ以上離れている集落がある県内の自治体は、秋田市など10市町村となっている。
 こうした状況を踏まえ、経産省は2年前、石油元売り会社や関係団体などでつくる過疎地対策協議会を設置。本年度内に給油所存続に向けた指針を策定する方針を打ち出した。
 同協議会が給油所存続のモデル事例の一つとして評価するのが、仙北市の取り組みだ。同市西木町では昨年、市と業者が対策組織を設立。業者は国の補助金を活用して200リットルの灯油タンク21基を購入し、小口注文していた高齢者世帯などに無償貸与した。これで配達日を集約して経営効率化を図った。有料の除雪サービスも始めて副業収入を確保するなど、営業継続の基盤を強化しているという。
 事業に協力した県石油商業組合は「市が危機意識を持って動いたことでスムーズに進んだ」と話す。市はタンク設置によって家庭での灯油備蓄量が増え、災害対策にもなるとしている。給油所の存続に向けては、地域ニーズや課題に即して事業の多角化を図るなど民間と行政が連携していくことが必要だろう。
 人口減が進む本県では、給油所の減少がさらに進むことが予想される。現時点では深刻な事態は起きていないようだが、灯油の配達が遅れたりすれば交通手段のない高齢世帯が安心して冬を過ごせなくなる。地域住民が支障なく生活を送るため、行政も当事者意識を持って早めに手を打つことが大切だ。

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