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【朝日新聞】 北朝鮮問題、どう向き合う ロシアの責任は重い

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 北朝鮮問題の沈静化に専念する国際対処は急を要する。とりわけ影響力のあるロシアには、大局的な外交を望みたい。
 ロシア極東のウラジオストクで、プーチン大統領、安倍首相、文在寅(ムンジェイン)韓国大統領が、相次いで2国間会談をした。
 浮き彫りになったのは、北朝鮮への強い圧力を求める日韓と消極的なロシアの立場の差だ。プーチン氏は安倍氏との会談後、「外交的、政治的手段でしか解決できない」と述べた。
 米国は国連の安保理で、石油禁輸や金正恩(キムジョンウン)氏の在外資産凍結を含む新たな決議案を示した。だが、ロシアと中国が反対し、紛糾が予想される。
 いまはアジア太平洋の安定がもたらす各国共通の利益を考えるときだ。衝突の回避と朝鮮半島の非核化に向け、時間を浪費することなく各国が行動しなくてはならない。
 北朝鮮は、自国への制裁強化に動いた中国に反発し、ロシアに接近している。折々の都合で中ロとの関係を北朝鮮が使い分けるのは恒例の戦術だ。
 だからこそ、北朝鮮問題をめぐる6者協議のメンバーである日米中韓ロが足並みをそろえ、まず核とミサイル開発の凍結を導く道筋を探ることが肝要だ。
 プーチン氏は「北朝鮮は自分の安全を実感しない限り、圧力を加えても核を放棄しない」と主張する。今後の米朝対話のあり方を考えるうえで示唆的な見方ではある。
 一方でプーチン氏は最近、「他国の利益を無視する米国」が問題の根源だとも強調し、米国への牽制(けんせい)を続けている。
 かねてウクライナ紛争などで対立してきた米国を批判する好機として、北朝鮮問題を利用しようとしているならば、無分別というほかない。
 さらにロシアの高官は「我々は北朝鮮からの脅威を感じていない」と述べるなど、事態を過小評価する姿勢もうかがえる。
 だが、問題は北朝鮮だけにとどまらない。「核を持った者勝ち」の前例を許せば、核の拡散防止の体制が揺らぐ。
 ロシアの周辺も含め、核武装を求める声がくすぶる国は少なくない。大量破壊兵器の広がりは、テロや紛争に悩むロシアにも重大な脅威になろう。
 そもそも北朝鮮の軍事技術の発展については、旧ソ連時代からロシアが支援を重ねてきたという事実も忘れてなるまい。
 北朝鮮と歴史的なつながりが深いロシア、そして中国の責任は重い。この際、米国との競合はいったん控え、北朝鮮の暴走を抑える方策に尽力すべきだ。

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