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【読売新聞】 日韓首脳会談 歴史蒸し返しで足並み乱すな

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 北朝鮮の軍事的脅威に直面する当事国として、外交、軍事両面で広範な協力を追求すべきだ。
 安倍首相と韓国の文在寅大統領がロシア・ウラジオストクで会談した。北朝鮮に対する新たな国連安全保障理事会の制裁決議の採択に向けて、連携を強める方針で一致した。
 首相は「これまでとは異次元の圧力をかける必要がある」と述べ、原油供給制限を含む厳しい制裁を目指す考えを示した。文氏も「今は最大限の圧力をかける時であることに同意する」と応じた。
 文氏は当初、圧力より対話を重視していた。北朝鮮の度重なる挑発を踏まえ、圧力に軸足を移し、日米両国と足並みをそろえたことは歓迎できる。今後も、ぶれずに、今の方針を堅持すべきだ。
 首相と文氏は最近、電話会談を含め、頻繁に意見交換している。トップが対話を重ねる中で、両政府が信頼関係を醸成し、外交政策を調整することが重要だ。
 米国を交えた防衛協力の強化も欠かせない。在韓米軍には、最新鋭の迎撃ミサイルシステムの発射台4基が追加配備された。
 北朝鮮の核・ミサイルに関する情報共有や共同訓練、装備増強を通じて対処力を高めることが、北朝鮮の暴走の抑止につながる。
 残念なのは、日韓協調が強く求められる局面で、元徴用工や慰安婦について両首脳が原則的な応酬をせざるを得なかったことだ。
 その責任は、8月の演説や記者会見で歴史認識の問題を一方的に蒸し返した文氏にある。
 首相は会談で「困難な問題を適切に管理したい」と語った。その言葉通り、両政府は、歴史問題が他に波及しないよう、未来志向の関係構築に努める必要がある。
 元徴用工について文氏は、日本企業への個人請求権があると主張し、歴代政権の長年の見解を唐突に覆した。首相は、1965年の日韓請求権協定で解決済みという従来の立場を改めて強調した。
 国交正常化交渉で徴用工問題を協議した末、協定では、日本が5億ドルの経済協力を行う一方、請求権問題が「完全かつ最終的に解決された」と確認した。
 2005年の盧武鉉政権による再検討でも、元徴用工には協定が適用されると結論づけた。
 日本側の主張は揺るぎない。今後、仮に元徴用工に補償や救済を実施する場合は、日本企業でなく、韓国政府が行うのが筋だ。
 慰安婦問題では、15年の日韓合意を着実に履行することこそが両政府の取るべき道である。

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