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【福島民友新聞】 若年性認知症/治療と仕事の両立へ支援を

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 若年性認知症にかかっても、安心して治療を受けながら、働き続けることができるよう支援の充実を図りたい。
 65歳未満の人が発症する若年性認知症は、高齢者の認知症に比べると患者数が少ないため、社会での理解があまり進んでいないのが現状だ。しかし、患者は働き盛りの世代が多く、発症すると仕事の継続が困難になるケースもあり、生活への影響は大きい。
 そのため県は今月、県内で初めてとなる「若年性認知症支援コーディネーター」1人を星総合病院(郡山市)に配置し、相談窓口を開設した。認知症の専門的な知識を持った看護師が、電話と面談で患者やその家族らの相談に乗る。
 コーディネーターは、医療や福祉などの各関係機関とのつなぎ役として生活全般のサポートを行う。患者の勤務先と働き方の調整に当たったり、職場復帰も後押しする。現役世代ならではの悩みに対応したきめ細かい支援を行っていくことが大切だ。
 厚生労働省によると、若年性認知症を発症する平均年齢は51歳で、女性よりも男性に多いのが特徴という。原因は、脳梗塞などによる「血管性」が約4割と最多で、そのほかに「アルツハイマー型」や、多量の飲酒で脳が萎縮する「アルコール性」などがある。
 症状としては、大事な予定を忘れてしまったり、よく出かける場所で迷子になったり、物を片づけることができなくなる―などが挙げられる。
 若年性認知症の場合、若いために自分が認知症だと気付かずに受診が遅れ、症状が進んでしまったことから仕事を続けられなくなるケースも多いという。どこに相談していいのか分からずに孤立してしまう人もいる。
 症状には個人差があるが、早期に適切な治療を始めれば、進行を遅らせることができる場合もある。県は医療機関などと連携して若年性認知症の啓発に努め、相談窓口の活用や早期診断につなげていくことが重要だ。
 厚労省の推計では、全国に若年性認知症は4万人弱いる。県内では約500人と推定されるが、正確な実態はつかめていない。そのため県は本年度、医療機関などの協力を得て患者数やその生活状況などについて調査を始める。
 県は調査結果に基づき、患者が社会で能力を発揮できる支援体制を拡充していく必要がある。障害年金や医療費助成、介護保険など患者が求めている情報を的確に届ける方法も検討し、遅れていた対策を前進させたい。

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