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【西日本新聞】 台風への警戒 「多重被害」想定し備えを

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 秋は本格的な台風シーズンである。過去の災害の教訓を踏まえ、万全の備えで臨みたい。
 今年、台風3号が九州に上陸、横断したのは7月4日だった。福岡、大分両県を襲った九州豪雨の前日で、負傷者が相次いだほか、長崎、熊本、大分3県で7万戸近くが停電するなどの被害が出た。
 仮に台風と豪雨が重なっていたら、被害はどれほど甚大になっていたか。台風の恐ろしさは、梅雨前線などと影響し合い、大雨のほか高波、高潮、雷、竜巻を伴うなど「多重被害」を生む可能性が高いことだ。9月は特に台風が日本に上陸しやすい時期である。
 気象庁によると、台風の年間発生数は平均25・6個だ。今年は既に17個が発生した。
 記憶に新しいのは「迷走」を続けた台風5号だ。7月21日に発生し、太平洋上で楕円(だえん)を描くなどしながら九州南部に接近した後、和歌山県に上陸し、8月9日にようやく温帯低気圧に変わった。いわゆる「長寿台風」で、九州豪雨の被災地でも警戒が続いた。
 台風の進路は気圧配置や偏西風の影響を受ける。長時間停滞し、被害を拡大させることもある。地球温暖化による海面水温の上昇で、風速は過去35年余で15%アップしたとするデータもある。
 特に気掛かりなのは今回の5号に限らず、近年は複雑な動きをする台風が増えていることだ。
 昨年は台風10号が迷走の末、観測史上初めて太平洋側から東北地方に直接上陸した。平年より暖かい海面の水蒸気で勢いを強めたとみられる。台風は想定以上の威力を持ったり、進路を突然変えたりすることもある‐との前提で対策を整えたい。
 昨年、日本に上陸した台風は6個で平年の2・7個を大きく上回った。過去の都道府県別の上陸数は鹿児島(1位)、長崎(5位)、宮崎(6位)、熊本(8位)と九州が上位を占める。
 九州豪雨や昨年の熊本地震で地盤が緩んでいるところは少なくない。気象情報に注意しながら、危険箇所や避難所を再確認したい。

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