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【西日本新聞】 金融庁組織改革 業界と未来志向の関係を

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 金融庁が、銀行などの健全性を厳しくチェックしてきた検査局を廃止し、監督局に統合することを柱とした組織改革に乗り出す。
 来年夏をめどに、現在の総務企画、監督、検査の3局体制を見直し、▽庁の司令塔でサイバーテロなどへの対応も行う総合政策局▽金融機関の日常的な監督のほか、新たに検査も行う監督局▽市場のルール整備や新しい技術に対応する企画市場局‐の三つに改組する。「金融検査マニュアル」の廃止も検討中だ。
 金融行政の軸足を「検査・処分型」から「対話・育成型」へ変えるという。時宜を得た組織改革といえる。また、一貫して顧客本位の業務運営を求めてきた金融庁の姿勢も支持したい。
 ただ、業界を規制する官庁が、規制先の育成にどう関わるかは極めて難しい問題だ。庁側の提案や意見、アドバイスは決して強要であってはならないだろう。
 従来の検査局はバブル崩壊後の不良債権問題に対応し、厳しい立ち入り検査を行ってきた。その結果、金融システムは安定したが、金融機関側は検査への対応に腐心し、肝心の収益力の改善や顧客対応が手薄になるなどの弊害も生じた。
 近年は、人口減や低金利に加え、情報技術(IT)による新サービスなど、業界を取り巻く環境は激変した。他方、不良債権問題は収束し、検査が本務の部署の必要性は低下していた。
 今回の改革は、金融庁が自己変革をアピールし、業界に新しい収益モデル構築を促すメッセージの意味合いもあろう。
 今後、必要なのは、規制する側と規制を受ける側との未来志向の関係を構築することだ。
 金融機関側では、矢継ぎ早な改革や注力事業への指導に不満もくすぶる。「対話」はともかく「育成」は金融庁の仕事ではないとの声も聞く。一部にある面従腹背的な関係を脱し、「貯蓄から資産形成へ」の転換や「収益力強化」に向けた改革に真剣に取り組む契機にしたい。

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