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【公明新聞】 違法な再生医療 患者の期待裏切る行為許すな

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再生医療に対する患者の期待を裏切り、信頼性を損なう許されざる事件である。
へその緒や胎盤に含まれるさい帯血を用い、無届けで再生医療を行ったとして、医師らが再生医療安全性確保法の違反容疑で逮捕された。
同法は、他人の細胞を使った医療を行う場合、リスクに応じて計画を国に届け出ることを義務付けている。
さい帯血は、白血病など27の疾患で効果が認められているほか、さい帯血から人工多能性幹細胞(iPS細胞)を作製できるなど、再生医療研究への貢献も期待されている。
しかし、今回の事件で行われた美容や大腸がんの治療への効果は、現時点で立証されていない。
再生医療は、感染症や拒絶反応など大きなリスクを伴う。
だからこそ、効果や安全性を守るために確保法の遵守が何より重要である。
にもかかわらず、法律を無視した医療行為は、患者の切実な思いを軽んじる悪質な行為にほかならない。
さい帯血を保存するバンクには公的バンクと民間バンクの2種類ある。
公的バンクは赤ちゃんと母親から無償提供されたさい帯血を造血幹細胞移植推進法に基づき、厳重な管理体制の下、第三者に提供している。
一方、民間バンクは、自身や家族の将来のため、自己負担で保管を委託するものであり、バンクといえども異なるものである。
事件で使われたさい帯血は経営破綻した民間バンクから流出したものだ。
公的バンクから提供されるさい帯血とは関係がない。
多くの善意で命を救ってきた取り組みが、今回の事件によって後退することがあってはならない。
厚生労働省は民間バンクの実態調査を実施している。
調査結果を踏まえ、二度と貴重な医療資源であるさい帯血が民間バンクから流出するようなことがないよう対策を取ることが必要だ。
再生医療安全性確保法は、2010年に制定され、14年に施行された。
しかし、いまだに同法の詳細を理解していない医療従事者は少なくないという。
同法のさらなる周知徹底も不可欠である。

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