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【デーリー東北新聞】 八戸沖の調査捕鯨 定着へ情報公開の徹底を

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 国の計画に基づき、地域捕鯨推進協会(福岡市)が八戸沖で初めて実施した調査捕鯨。7月18日〜8月21日の期間中に捕獲したミンククジラは目標30頭に対し、3頭にとどまった。例年にないしけに見舞われたのが要因で、調査は来年度に“仕切り直し”の格好となった。
 調査は商業捕鯨の再開に向けて捕獲可能数を算出するのが目的。国は南極海での調査停止を命じた2014年の国際司法裁判所の判決を踏まえ、6月に本年度から12年間の新たな調査計画を策定した。
 新計画の対象は太平洋の沿岸、オホーツク海の沿岸、太平洋の沖合、南極海。このうち太平洋の沿岸調査で、従来の釧路(北海道)、鮎川(宮城県)両港に加え、八戸港が選ばれた。
 ミンククジラの解体調査後には「副産物」として鯨肉が流通する。7月の八戸港は水揚げが少ない“端境期”に当たり、市場に供給されれば新たな地元商材として定着し得る。将来的に商業捕鯨が再開された場合の水揚げ拠点となる可能性も秘めており、関係者の期待は高い。
 ただ、八戸沖での調査捕鯨を巡っては水産庁と同協会による情報公開の在り方に首をかしげた。当日まで実施を市民に公表せず、事前に察知した報道の問い合わせにも「決まり次第知らせる」と繰り返すばかり。
 近海で捕鯨が実施され、解体も行われるとなれば「環境や他漁業に影響はないのか」と考えるのが住民感情ではないか。100年以上前の事例だが、鮫地区に進出した外部資本の捕鯨会社を、海洋汚染に反対する漁民が焼き打ちした経緯もある。
 水産庁は「過激団体の反対活動を警戒した」とするが、国内調査で事例はないという。しかも反対派はその気になれば実施公表後に押し掛けるはずで、事前に公表しない理由としては根拠に乏しい。丁寧な説明の手間を省いたと勘繰りたくなる。
 「反対活動のリスク」と「事前に知ることによる住民の利益」をてんびんに掛けると、後者に大きく傾くのではないか。
 調査捕鯨に対する国際的な批判が強い中、国の「科学データに基づき鯨類を水産資源として持続的に利用したい」との主張は理解できる。だとしても住民をないがしろにするような進め方は是認できない。
 このような姿勢を続けては、国際理解を得るためによって立つ、国内の支持を失いはしまいか。八戸では解体工場を整備するなど長期の水揚げが見込まれている。来年以降の調査では情報公開の徹底を願う。
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