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【信濃毎日新聞】 政務活動費 透明度をもっと高く

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 最終的に4千万円を超えた富山市議会での政務活動費(政活費)不正使用が発覚して1年たっても、各地で不正が絶えない。
 最近では神戸市議が市政報告のチラシを印刷業者に架空発注し、多額の政活費を受け取ったことが分かり、辞職した。
 政活費は地方議員の調査研究、広報などの経費として、議員報酬とは別に税金から支給される。使途をつぶさに明らかにするのは当然の責務だ。
 都道府県議会など全国の主要99議会を対象に共同通信が今夏実施したアンケートでは、この1年間にほぼ半数の議会が政活費に関する何らかの改革を実施した。インターネット公開は領収書が8議会増えて15議会に、会計帳簿は5議会増えて11議会になった。
 有識者が使途をチェックする第三者機関は4議会が新設し、計17議会に増えてもいる。アンケートの対象外だが、不正の温床になりやすい前渡し制を改め、実費後払い制にした議会も少なくない。
 これらに比べると、1人当たり月額29万円が支給されている長野県議会の取り組みは鈍い。
 会派ごとの収支報告書と事業実施報告書はネットで公開しているが、領収書は非公開、会計帳簿はそもそも提出義務がない。検証機関はなく、前渡し制のままだ。
 収支、事業実施の各報告書を見ても、具体的に何にいくら支出したのかは分からない。それを調べるには長野市の県議会事務局まで出向いて領収書を閲覧しなければならない。
 コピーするには情報公開請求手続きが必要で、付随資料を含め議員全員分の写しを入手するとなると約1カ月の期間と10万円以上のコピー代がかかる。市民が点検するにはハードルが高すぎる。
 その領収書も、鉄道やバスなどの運賃については不要とされている。これでは、兵庫の“号泣県議”のようにカラ出張がいくらでもできてしまう。
 忘れてはならないのは、富山市議会での不正が明らかになる8年前に、長野県議会で政務調査費(当時)の不正が発覚した議員が自殺したことだ。この教訓が生かされているのか。
 今年の2月県会には市民団体から政活費の領収書のネット公開を求める陳情が出た。県会は採択せず、継続審査扱いを続けている。
 情報公開や不正防止に後ろ向きの姿勢では、議会への不信を深める。県会に限らず透明性をより高め、不正が起きにくい環境をつくっていく必要がある。 (9月9日)

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