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【西日本新聞】 日ロ首脳会談 プーチン氏の説得続けよ

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 圧力強化か、対話重視か。日ロ首脳間の溝は埋まらなかった。
 安倍晋三首相とロシアのプーチン大統領との会談が7日、ロシア極東ウラジオストクで行われた。両首脳は北方領土での共同経済活動推進で合意したが、焦点となったのはもう一つのテーマ、すなわち核実験やミサイル発射を繰り返す北朝鮮への対応だった。
 北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)政権による核実験強行を受け、国連安全保障理事会で北朝鮮に新たな制裁を科すための協議が始まっている。米国や日本が主導し、北朝鮮への石油輸出禁止や、北朝鮮の出稼ぎ労働者の雇用禁止などを盛り込んだ決議案の採択を目指している。
 これに対し、ロシアと中国は北朝鮮への非難を強めつつも、石油禁輸など厳しい制裁の導入には慎重な姿勢を崩していない。
 安倍首相はこれまで頻繁にプーチン氏と会談を重ねている。培った信頼関係を生かし、プーチン氏を説得するのが今回の会談で安倍首相に期待された役割だった。
 しかし、会談後に会見したプーチン氏は「(北朝鮮問題は)政治的、外交的手段でのみ解決可能。全ての関係国による対話の開始が必要だ」と述べ、「北朝鮮への圧力は無意味」の持論を変える気配を見せなかった。
 安倍首相は「日ロ両国は国連安保理の場を含め、緊密に協力していくことを確認した」と取り繕ったが、隣に座ったプーチン氏との温度差は隠せなかった。
 ロシアが圧力強化による北朝鮮の暴発を懸念するのも一理はある。ただし、プーチン氏の慎重姿勢の裏には、北朝鮮問題をカードにして対米関係を優位に進めようとの思惑があるのではないか。
 北朝鮮の核・ミサイル開発は核不拡散体制の破壊につながる暴挙だ。外交カードなどと位置付けるようでは、核拡散への危機感が足りないと言わざるを得ない。
 安倍首相は今後も機会を捉えてプーチン氏の説得を続け、北朝鮮に関する認識の違いを是正すべきだ。そうでなければ、何のための信頼関係なのか分からない。

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