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【富山新聞】 北朝鮮ハッカー 外貨狙いサイバー攻撃

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 北朝鮮のハッカーが、韓国内の現金自動預払機(ATM)63台から約23万件のカード情報を盗み出し、これを基に複製されたカードで計約1億200万ウォン(約980万円)の現金が引き出されたと、韓国警察庁が発表した。国際社会の経済制裁が強まるなか、北朝鮮が軍事関係の情報入手やコンピューターシステムのかく乱に加え、外貨獲得のためにサイバー攻撃を仕掛けていることをうかがわせる。
 金正恩朝鮮労働党委員長は、サイバー戦能力を「核、ミサイルと並ぶ万能の宝剣」と表現してサイバー部隊の強化に力を入れており、韓国国防白書によると、北朝鮮のサイバー要員は約6800人に上るという。民間を含めてサイバー攻撃に対する防御力を高めることは、北朝鮮の核・ミサイル開発資金の獲得手段を封じるという点でも重要性を増している。
 韓国警察庁によると、情報窃取のためATMのサーバーに送り込まれたウイルスの分析から北朝鮮ハッカーの犯行と分かった。ハッカーから情報提供を受けた中国人らのグループがカードを複製し、韓国や日本、タイなどにいる協力者が現金を引き出した。
 北朝鮮傘下のハッカー集団は、今年5月に起きた世界規模のサイバー攻撃でも関与が強く疑われている。被害件数が日本を含む約150カ国、30万件に及んだこの事件は、「ランサム(身代金)ウエア」というウイルスでコンピューターシステムのデータを読めなくし、復旧と引き換えに金銭を要求するもので、実際に支払われたケースもあるという。
 北朝鮮ハッカーは昨年2月、バングラデシュ中央銀行にサイバー攻撃を仕掛け、8100万ドル(約90億円)を盗んだ疑いも持たれており、今年5月の米上院公聴会で証言した米情報セキュリティー企業の幹部は、北朝鮮が国家ぐるみで金融犯罪に関与したとの見方を示している。
 国連の制裁措置の及ばないサイバー空間で、北朝鮮がシステム破壊や外貨狙いの攻撃をさらに強めてくるのは必至とみて、警戒を強化する必要がある。

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