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【北國新聞】 金沢21美の役割 「奇跡」の好循環を北陸に

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 金沢市が金沢21世紀美術館の連携先を広げている。8月に全面開館した富山県美術館と宣伝や学芸員の研修で協力することにしたのに続き、9月に入ってからは富山市ガラス美術館との連携も具体化する見通しになった。相互割引や学芸員同士の情報共有などを検討するという。
 連携の相手は美術館にとどまらない。珠洲市で開催中の奥能登国際芸術祭も相互割引の対象に加えた。連携先が奥能登や富山に拡大していくのは、金沢21世紀美術館の役割を考える上で注目できる展開である。
 石川県美術文化協会が金沢市に美術館の建設を求めたころは、金沢の街なかに、にぎわいをつくる機能も美術館に期待されていた。2004年に開館した後は予想以上の人を集めて期待に応え、金沢の格を高める存在に成長している。16年度の入館者数は255万人を超えており、地方の美術館として傑出した知名度と話題性は「金沢の奇跡」と言っていい。
 その金沢21世紀美術館にこれから求められるのは、奇跡の好循環を北陸全体に広げて、北陸の格を上げていくことではないだろうか。北陸を舞台にした美術の連携は大きな相乗効果を生む可能性がある。連携先との交流がもたらす刺激は金沢21世紀美術館の活力を高める作用も持つだろう。
 世界に知られる金沢21世紀美術館も当初から評判が高かったわけではない。歴史と伝統のある金沢に現代美術がなじむのかといった批判や懸念も出ていたが、開館後は意欲的な企画展と地元芸術団体の多彩な催しが多くの人を呼び寄せた。何より、丸くて開放的な建物が美術館の敷居を下げた効果は絶大である。水面を挟んで人が出会う「スイミング・プール」などの作品が建物の一部を構成する意外性も金沢に新風を吹き込んだ。
 3代目館長の島敦彦氏は奇跡と言われる成果を生かして金沢21世紀美術館をどのように進化させていくのだろうか。美術館の役割の大きさを認識し、県内外の美術、文化施設との連携を進める方向は間違ってはいない。連携を打ち上げ花火に終わらせず、文化の力を北陸に広げていってほしい。

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