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【北國新聞】 尖閣国有化5年 持久戦に耐える体制を

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 政府が沖縄県・尖閣諸島を国有化してから5年が経過した。公船による尖閣周辺の領海侵入を繰り返し、日本の実効支配を突き崩そうという中国の動きは、一向に収まる気配がない。長期の「持久戦」に耐え得る体制で領土主権を守る覚悟を新たにしなければならない。
 中国海警局船の領海侵入は国有化直後より減ったとはいえ、毎年30件台で常態化している。昨年8月には中国漁船200~300隻が尖閣周辺に押し寄せ、その一部が領海に侵入したため緊迫した。10月に共産党大会を控える習近平国家主席は、国内外の情勢安定を最優先する必要があるため、5年前のような暴力的な反日デモが起きないよう警戒し、漁民の管理も強化しているとされる。
 外交面では、北朝鮮の核実験や弾道ミサイル発射に後見役の中国自身が揺さぶられ、米国や韓国との関係が緊張している一方、インドとの対立も解消していない。こうしたことから、「日本との対立激化は中国にとって何の利益もない」として関係改善を説く識者が中国国内にもいるという。日本としても、尖閣をめぐる対立を収めるための外交に全力を尽くさなければならない。
 しかし、海洋強国を建設し、太平洋へ進出する中国の国家戦略に大きな変化がない限り、領海侵入の既成事実を積み重ね、尖閣諸島を影響下に置こうという中国の行動は続くと考えざるを得ない。
 中国が東シナ海の資源開発に動き始めたのは1970年代で、92年には、尖閣諸島を中国領土とする「領海法」を制定している。中国の主張する尖閣問題「棚上げ」の約束を破ったのは中国自身にほかならないのだが、海洋進出について中国が30年、50年の長期戦略で動いていることが分かる。尖閣の対立は、政府関係者の言う通り「10年単位の長期戦」を覚悟する必要があるのではないか。
 海上保安庁は18年度政府予算の概算要求で、6500トン級のへり搭載型巡視船と1500トン級の巡視船の導入を求めている。自衛隊を含めて南西諸島の防衛体制を強化しなければなるまい。

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