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【中日新聞】 育休の延長 保育所の整備を怠るな

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 子どもを保育所に入所させられずにいる親を対象に、最長二年まで育児休業を延長できる改正法が施行される。待機児童対策の一つであるが、肝心な保育所の整備を怠ってはならない。
 育児・介護休業法が定める育休期間は原則一年。認可保育施設に申し込んだのに入れない待機児童が増えるなか、子どもを保育所に入所させられない親の場合、十月から最長二年まで延長できるようになる。
 現行でも、保育所に空きがない場合などは特例として半年延長できる。しかし待機児童は四月時点で二万六千八十一人。自治体が独自に補助する保育施設に入るなどして、待機児童に数えられない「隠れ待機児童」は六万九千二百二十四人。保育施設の整備が追いつかず、育休を延ばしても結局、預け先が見つからず、離職に追い込まれる人が少なくない。
 二年まで育休延長できるようにしようという方策は、もともとは待機児童減らしに苦慮する都心の自治体側から出てきた。
 待機児童の大半を占めるゼロ歳児から一歳児ら低年齢児の保育には多くの保育士が必要で人件費がかかる。育休期間を延ばして子どもは家庭でみてもらい、休業中の給与を補う給付金の支払期間を延ばした方が社会的コストは少なくてすむという考え方である。
 ただ親にとっては、育休期間を延ばしても、結局は保育所を探し回って終わるのではないか、という不安も消えない。
 また、育休を男女のどちらが取るのかという問題もある。今でも育休を取得する大半は母親だ。厚生労働省によると、二〇一六年度の育休取得者約三十二万七千人のうち、父親はわずか3%。取得期間の平均は一〇・二カ月だが、父親の多くは一週間未満。母親に偏らないのが望ましいとはいえ、父親が取得しようとしないのは、長時間労働など働き方の問題や、育休中の家計収入への不安がある。
 育休中は雇用保険から給付金が支払われる。給付率は最初の六カ月までは休業前賃金の67%、半年以降は50%。受給者の平均月額は十三万四千円にとどまる。非正規雇用の場合は正社員よりもさらに低くなる。育休を延長すればその分収入は減る。給付金を厚くすることも検討が必要だろう。
 仕事と子育てを両立させるために育休が重要なのは当然だとしても、待機児童の解消には保育施設の整備が肝要だ。問題の先送りをしてはならない。  

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