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【デーリー東北新聞】 Jアラートと避難 地域性考慮した対策を

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 北朝鮮のミサイル発射に対する住民レベルの避難が重要な課題となっている。全国瞬時警報システム(Jアラート)に連動した防災無線や携帯電話、スマートフォンの緊急メールで国から避難行動が指示されたが、あまりに具体性に乏しく、住民に戸惑いや不安を与えた印象は否めない。特に地方は都市環境や住宅構造が中央と異なり、全く適合しない避難行動もある。国や自治体は早急に地域性を考慮した実効性のある対策を示すべきだ。
 ミサイル発射時、消防庁から個人の携帯電話やスマホに発信されたメールは「北朝鮮からミサイルが発射された模様。頑丈な建物または地下に避難せよ」という内容だった。
 緊急メールのため表現を簡潔にするのは理解できるが、情報量が少な過ぎる。頑丈な建物の概念が曖昧な上、仮に地下などがなかった場合の対応が示されていない。頑丈な建物とは、一般的にコンクリートでできたビルのような物を想像するが、青森県内では都市部以外にそういった建物はほとんどなく、近くの住民以外は避難が不可能。地下も同様で、地下鉄が網目のように走り、マンションが立ち並ぶ大都会と違い、地方では一定規模の建物でなければ地下はなく、現実的ではない。
 さらにこのメッセージが屋外にいる人へ向けられたものなのか、屋内向けなのかも不明。自宅など屋内にいても頑丈な建物へ避難しなければならないと解釈した人もおり、混乱を招く要因となった。避難するためにわざわざ屋外に出て、被害を受けては本末転倒と言える。
 県内の市町村からは避難方法やメッセージの表現方法について、地方の実情に即したものを検討してほしいとの要望が出ており、国はこうした地方の声に真摯(しんし)に耳を傾けるべきだろう。
 情報を入手しにくい環境にある住民への対応も忘れないでほしい。8月下旬のミサイル発射は早朝だったため、防災無線がない地域に住み、携帯端末を持たない高齢者などは発射に気付かなかった。
 一部の自治体では、災害時に自動で起動する防災ラジオの導入など具体策を検討し始めた。とっさの判断が生死を分ける可能性もあるだけに、国は周知方法を真剣に考えるべきだろう。
 市民は人工衛星もレーダーも持っておらず、ミサイルに関しては政府や自治体からの情報だけが頼りだ。曖昧な情報や具体性に欠けた避難指示では、不安や混乱が広がることを肝に銘じてほしい。
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