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【西日本新聞】 長周期地震動 被害軽減へ予測の充実を

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 「長周期地震動」は、大規模地震の発生時に生じ、ゆっくり長い揺れが繰り返し起きる。高層ビルの上階ほど、大きな影響を受けやすい。南海トラフで想定される最大級の地震が起きた場合には、甚大な被害が懸念されている。
 気象庁が、長周期地震動の発生予測地域を緊急地震速報で伝える仕組みをつくる。本年度からシステム開発に取り掛かり、2018年度以降の運用を目指す。
 気象庁は、長周期地震動の強さを弱い方から1~4の階級で表現している。昨年4月の熊本地震では、熊本県宇城市で国内初となる最大の階級4を記録した。
 今月に入って熊本市西区で震度4、秋田県大仙市で震度5強を観測するなど各地で地震が相次いでいる。防災意識を高めて被害の軽減を図るためにも、気象庁は早急に速報体制を整備してほしい。
 緊急地震速報には現在、揺れを地震計の1地点で探知しただけで医療機関や鉄道会社などへ通知される予報と、2地点以上の検出で一般向けに出される警報がある。警報は震度5弱以上が予測される時にテレビのチャイム音などとともに発表され、発生時刻や場所、震度4以上の地域名を伝える。
 気象庁は、警報を発する際に長周期地震動で大きく揺れると予測される地域名を示す方針だ。
 長周期地震動は揺れが1往復する周期が長く、建物の持つ固有の振動周期と地震動の周期が近いほど激しい揺れに襲われる。震源から遠ざかっても弱くならずに伝わっていくのも大きな特徴だ。
 東日本大震災では震源から約770キロ離れた大阪府の咲洲庁舎も大きく揺れ、防火扉が破損するなど被害が及んだ。このため、警報で注意を促す地域が震源から遠く離れることもある。注意したい。
 地震学の専門家によると、佐賀平野のように土砂が堆積した軟弱地盤の厚い場所でも長周期地震動が起きやすいとされる。
 巨大地震では震源から離れていても安心できない。ビル建設時の基礎工事や機器の転倒防止措置の徹底など安全の確保に努めたい。

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