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【北國新聞】 知事7選出馬表明 「多選の是非」は具体論で

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 谷本正憲知事が7選出馬を表明した。知事は現在、現職で全国最多の6期を務めている。もし7選すれば井戸敏三兵庫県知事(5期)を引き離し、記録を更新する。
 前知事の中西陽一氏は全国最多記録となる8選を果たし、谷本知事が1994年にその後を継いだ。県政のかじ取りを半世紀以上、2人の知事が担ってきたのは全国的にも希有(けう)なケースだろう。
 谷本知事とともに、6期を務めた茨城県の橋本昌知事は先月、7選を目指す選挙で敗れた。「多選の是非」が最大の争点となり、自公推薦の新人候補が多選禁止条例の制定などを掲げて勝利した。来年3月の県知事選に、谷本知事が出馬すれば、いや応なしに多選の是非が争点となろう。
 多選の弊害とされるのは、行政組織の硬直化や人事の停滞である。10年ほど前、多選禁止条例が神奈川県などで続々制定されたのは、官製談合や汚職絡みで知事が相次ぎ逮捕されたからだった。また、柔軟な発想や新たな価値観が生まれにくくなるともいわれる。
 それでも多選知事は増加傾向にあり、現在、4期以上の知事は、富山県の石井隆一知事、福井県の西川一誠知事ら12人を数える。長く続けることで行政組織、政策に精通し、継続的な自治体経営ができる良さもあり、埼玉県の上田清司知事のように、自ら多選自粛条例を制定しながら条例に反して4選出馬し、当選した例もあった。
 現職が7選を目指した茨城県知事選で、NHKが投票日に行った出口調査では、「知事の多選」について「弊害がある」と答えた人は53%、「弊害がない」と答えた人は47%と、ほぼ拮抗(きっこう)した。
 長期政権による癒着や腐敗には厳しい目を向ける必要はあろうが、「多選は悪」という一方的な決め付けはむしろ危険かもしれない。何より首長の力量、手腕は地域の盛衰に直結する。それなりの見識を持ち、ふるさとを愛してやまぬ人物でなければ務まらない。
 多選を争点にするのであれば抽象論ではなく、客観的で具体的な指摘であってほしい。そうでなければ有権者の判断材料には、なりにくいと思うからである。

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