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【高知新聞】 【北朝鮮制裁決議】「結束」を対話につなげよ

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 国際社会の「結束」のメッセージは北朝鮮に届くのか。北朝鮮包囲網が新たな段階に入った。
 6回目の核実験を強行した北朝鮮に対する追加措置を協議してきた国連安全保障理事会は、石油の輸出規制を初めて盛り込んだ制裁強化決議を全会一致で採択した。強力な制裁に慎重姿勢を取ってきた中国、ロシアも賛成した。
 今回の決議も米国が主導し、3日の核実験から1週間余りという異例のスピード採択にこぎ着けた。原案で石油の全面禁輸を求めた米国が中国に譲歩したとはいえ、北朝鮮の後ろ盾である中ロを含め各国が結束したことには意義がある。
 北朝鮮への制裁決議は9回目になる。これまでの決議を無視するように北朝鮮は核・弾道ミサイル実験を繰り返してきた。8月には石炭や海産物の全面禁輸という、過去最大級の制裁を決議したにもかかわらず、北朝鮮は挑発行為をエスカレートさせてきた。
 制裁の手詰まり感が増す中、米国は北朝鮮の生命線である石油の全面禁輸に加え、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長も個人リストに追加する「最強の制裁」を提案した。石油規制は金体制の崩壊に直結しかねず、石油などの供給ラインを握る中ロは強固に反対してきた。
 交渉の結果、石油全面禁輸は見送られ、過去12カ月の供給総量を上限とする現状維持の規制に後退し、金氏の資産凍結なども外れた。実質的な制裁効果はなお不透明感があるとはいえ、石油を制裁対象に加えたことは将来的な全面禁輸への余地を残し、核開発などをやめなければ「さらに重大な措置を取る」との決議の警告が重みを増す。
 北朝鮮制裁案は従来、米国が中国と大筋合意した上で各国に諮られてきたが、今回は米国が全理事国に原案を公開して協議が進められた。テロ組織などへの核拡散も招きかねない北朝鮮に対する国際批判の広がりが、制裁強化への結束を後押ししたのは間違いない。
 北朝鮮の核開発にいら立ちを強めていた中国と、北朝鮮と経済的関係を深めるロシアとの北朝鮮利害を巡る駆け引きも、制裁案合意の背景に指摘される。
 核・ミサイル開発の資金遮断へ、制裁決議は出稼ぎ労働者の就労や繊維製品輸出なども禁じた。石油関連の供給量は約30%減り、輸出禁止対象は90%以上に達すると推計される。北朝鮮の国際的、経済的な孤立は一層鮮明になる。
 一方で北朝鮮が制裁に反発し、挑発行為を強めかねない懸念もある。各国は決議を着実に履行することで国際圧力の包囲網を堅固にし、北朝鮮に思いとどまらせなければならない。密輸などの制裁逃れの抜け道も許してはならない。
 もちろん、圧力のみでは解決しない。各国の結束を北朝鮮との対話へとつなげていく必要がある。外交解決を主張する中ロこそその中心的役割を果たすべきではないか。
 

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