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【福島民友新聞】 双葉郡住民調査/生活再建へ就労支援に力を

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 避難者が生活再建を果たすことができるよう仕事の再開に向けた支援に力を入れたい。
 広野町を除く双葉郡7町村の住民のうち、生産活動の担い手である15~64歳の3割が仕事に就いておらず、無職の割合が震災前の3倍に達していることが、福島大の住民実態調査で分かった。
 調査は今年2~3月に行った。東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の発生前と現在で、仕事に就いていたかどうかを聞いたところ、15~64歳の無職の割合が震災前は10・3%だったのに対し、現在は31・9%に大きく増加した。
 「現在の生活を何でやりくりしているか」との問い(複数回答)では、「賠償金」が56・4%で半数を超え、「勤労収入」の32・7%を大きく上回った。
 震災から6年半が過ぎ、住民の生活再建の進度に違いが生じていることが浮き彫りになった形だ。調査に当たった同大研究チームは「東電による賠償金だけでなく、就労などによる自立支援が求められている」と指摘した。
 住民の中には避難のために離職した後、技術や経験を生かせる職場がなく、仕事を再開できないという人もいる。行政や支援団体などは、住民それぞれの事情を考慮しながら就労につなげていくことが求められている。
 県は、地元での生活を再開した住民の自宅や、復興公営住宅などに「ふくしま生活・就職応援センター」から支援員を派遣し、就職と生活の両面で相談に当たっている。職種や勤務地など、できる限り希望に沿った仕事に就くことができるよう、きめ細かなサポートをしてもらいたい。
 行政や経済団体、労働関係機関が就職セミナーや職業訓練などの充実を図っていくことも必要だ。
 原発事故で避難指示が出た地域の事業者などを支援する福島相双復興官民合同チームは、事業を再開した企業の求人情報をホームページなどで公開している。こうした情報も住民に有効に活用してもらい、企業とのマッチングにつなげたい。
 調査では「将来の自分の仕事や生活への希望」についても質問した。「大いにある」「ある」と答えた人は計16・1%にとどまる一方で、「あまりない」と「まったくない」は計50・4%に達した。
 仕事をするということは、社会とつながることでもある。自分の持っている知識や技術を仕事に生かすことで、やりがいや希望も見いだせるはずだ。住民が確かな一歩を踏み出すことができるよう、力強く後押ししたい。

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