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【福島民報】 【ICTオフィス起工】市民の理解を得るには

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 会津若松市が地方創生の「まち・ひと・しごと創生総合戦略」の中核に位置付ける会津ICT(情報通信技術)オフィスの起工式が行われた。首都圏のICT関連企業の誘致を目指し、500人規模となる施設の環境整備を掲げている。民間との連携を密にして、同じ方向性で動く他の地域に先んじた展開を期待したい。
 オフィスビルは市役所や鶴ケ城に近い中心市街地に建設が始まる。15社が入居できる四階建てのオフィス棟、市民らが最新技術に触れる平屋の交流棟と機械室棟を設ける。約1万平方メートルの敷地を有し、駐車場は約200台分を確保した。完成予想図を見ると、歴史的な街並みにマッチした落ち着いた雰囲気がある。駐車場の活用も含め、地域に受け入れられる施設になっていってほしい。
 総事業費は約25億円を見込み、2019(平成31)年春のオープンを目指している。建設工事と並行して入居企業の誘致には力を入れなければならない。施設の整備・運営は、民間事業者の知見を活用した官民連携で進める。既に入居を決めた企業もあるが、スムーズな施設の運営に向けて首都圏のICT関連企業などの誘致には、連携を強化した一丸となっての活動が不可欠となるだろう。
 全国でもICTを軸に地方創生に取り組む自治体が多い中、会津若松市は何を長所としてアピールしていくか。まずは、ICTの研究、実践で高い評価を受けている会津大が立地していることだろう。連携によって高度な人材育成が可能になり、卒業生が定着するようになれば内外への強い発信ができる。
 さらに、医療や農業、エネルギーなどの分野は、それぞれの現場が近くにある利点を上手に活用したい。連携した実証事業を展開するための環境が整っているのは強みとなる。これまでも、ICTと各分野を融合させる事業は個別に行われてきた。オフィスビルが、その核となれば分野を超えた情報共有が可能になり、新たな事業が生まれる。ぜひ、そうした役割を担うよう育てていきたい。
 ひとつ懸念は、ICTオフィスが地元にどんな好影響を及ぼすかが分かりにくい点だ。多額の事業費が投じられるが、ICTオフィスで今後、何が進められるのかを知らない市民は多い。市は、誘致企業と地元企業の協業や雇用の創出、地域イベントの開催などの地域活性化策を描く。オフィスビルが目に見える形で立ち上がるのを機に、市民の理解度アップ策も必要となってくる。(安斎康史)

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