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【熊本日日新聞】 住まい再建支援策 被災世帯への周知必要だ

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 熊本地震で仮住まいを続ける被災者の恒久的住まいの確保に向け、住宅ローンの利子分の助成など県が市町村と協力して新たな支援に乗り出す。県は総事業費を約109億円と見込み、第1弾として約36億円を復興基金から予算化し、9月定例県議会に提案した。
 支援策の柱は、住宅ローンを組んで自宅を建てる世帯に対し、借入金850万円を限度にその利子分最大約100万円を一括助成するというもの。このほか、転居費用10万円の支給や、賃貸住宅への住み替えに初期費用20万円を支給することも盛り込まれている。
 地震発生から1年5カ月。今なお2万世帯以上が仮設住宅などで暮らす。住まいの確保を加速するために、支援策の周知を徹底してほしい。知らせるだけでも、資金の確保など心労を抱える被災者の支えになろう。
 将来の返済への不安から住宅ローンを組むのに二の足を踏みがちな高齢者世帯でも、やり方や条件次第で建設費1千万円程度の「くまもと型復興住宅」を手に入れることも可能となる。最大300万円の被災者生活再建支援金などに加え、不動産を担保に850万円を借り、生きている間は利子分だけを返す「リバースモーゲージ」という返済特例を使うと、20年間の月々の利子分が公営住宅の最低家賃に相当する約1万5千円に抑えられる。自宅再建をあきらめなくてもよいというわけだ。
 ただ、被災世帯の事情はさまざま。くまもと型復興住宅は高齢夫婦での生活を想定したコンパクトな設計で、子どものいる世帯には手狭だ。県と市町村は、家族構成などの事情を反映した個別支援計画に沿って、それぞれの世帯に応じた情報提供などきめ細やかな対応が欠かせないだろう。
 蒲島郁夫知事は県議会の提案理由説明で「被災者の住まいの再建なくして復興はない」と強調した。支援策の周知が進めば、助成額の拡大や対象条件の緩和など新たな要望が出る可能性もある。県と市町村は被災者の声に柔軟に対応する姿勢も求められる。
 県議会の代表質問、一般質問は13日から始まる。論戦を通じて被災者にしっかり寄り添い、仮住まいの解消につながる支援策に磨き上げてほしい。

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