Home > 社説 > 地方紙 > 近畿地方 > 京都新聞(京都府) > 【京都新聞】 北朝鮮制裁決議  実効性高め平和の道を
E200-KYOTO

【京都新聞】 北朝鮮制裁決議  実効性高め平和の道を

そう思わないそう思う (まだ投票していません)
Loading...

 国連安全保障理事会が、6回目の核実験を強行した北朝鮮に対する新たな制裁決議を全会一致で採択した。
 北朝鮮に対する石油製品や原油の輸出に上限を設けるのが柱で、北朝鮮労働者に対する就労許可発行や北朝鮮からの繊維製品の輸出も禁じている。
 ロシアと中国も賛成した。日本や米国が目指した石油の全面禁輸には至らなかったが、核実験から約1週間で全会一致の採択を実現した。
 米国は「これまでで最強の決議だ」と強調している。
 国際社会は迅速にメッセージを発した。北朝鮮は重く受け止める必要がある。無謀な行動を続ければ、孤立と窮乏を深めることになる。今度こそ核・ミサイル開発を中止すべきだ。
 関係国は、制裁の実効性を確保する努力が問われる。北朝鮮に対する石油供給の窓口になっている中国やロシアの責任はとりわけ重大だ。
 繊維製品は出稼ぎ労働とともに北朝鮮の重要な外貨獲得源だ。ほとんどが中国企業の発注とされている。中国は自国の企業の監視を強めてほしい。
 決議案は今月3日の核実験後、米国が主導して調整が続けられてきた。
 当初案は石油の全面禁止や金正恩朝鮮労働党委員長の個人資産凍結、同意なしの貨物船の臨検なども盛り込まれていたが、中国やロシアとの協議で米国が譲歩した。
 石油禁輸は北朝鮮の市民生活への影響が大きく、北朝鮮の体制崩壊につながりかねないという中ロの懸念が背景にあったとみられている。
 決議はまた、外交と政治的な方法による平和的解決を呼び掛ける内容になっている。今後、どうその道を探るのかも問われよう。
 米国は安保理で、北朝鮮との戦争を求めていないと述べた。
 日本の安倍晋三首相は「最大限の圧力をかけ続ける」との主張を続けている。だが、その後の展望は描けているのだろうか。
 朝鮮半島の安定化が関係国の一致した願いである。そのためには、米国と北朝鮮がいずれ接触することも必要になるだろう。
 だがトランプ政権は東アジア担当の高官すら不在だ。「誰も戦争は望んでいない」というメッセージがバイアスなく北朝鮮に伝わる道の確保が急務ではないか。
 第三国の協力や仲介を得る手法もありえよう。日本は率先して「圧力後」の道を探ってほしい。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。