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【読売新聞】 外相中東歴訪 政治対話で安定に貢献したい

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 中東の安定は、世界全体の平和と繁栄に欠かせない。エネルギー資源の多くをこの地域に依存する日本は、より積極的な役割を果たすべきだ。
 河野外相が中東5か国を歴訪した。エジプトで日・アラブ政治対話の初会合を開催し、北朝鮮制裁の即時履行を求める共同声明を採択した。経済・貿易関係にとどまらず、政治分野での連携の強化を確認した意義は大きい。
 政治対話は、22か国・機構で構成するアラブ連盟の外相会合に合わせて開いた。2009年以降、4回実施した日・アラブ経済フォーラムと同様、回を重ねることで、外交の幅が広がろう。
 河野外相は、北朝鮮問題について「今は圧力強化の時だというメッセージを発信する必要がある」と訴えた。「中東にも北朝鮮の労働者がおり、外貨収入源となっている。制裁の抜け穴を作ってはならない」とも力説した。
 国連安全保障理事会は、北朝鮮労働者に新たに就労許可を与えることを禁止する制裁決議を採択した。クウェートやカタールには、各1000人以上の労働者がいるという。決議の厳格な履行を直接働きかけたのは適切である。
 河野氏は各国外相との個別会談でも制裁に協力を求め、クウェート外相は北朝鮮労働者への査証発給を停止していると説明した。
 カタールとサウジアラビア、エジプトなどの対立について河野氏は個別会談で、クウェートによる仲介を支持する考えを示した。
 サウジなどが、イランへの融和姿勢などを理由にカタールとの国交を断絶して3か月が経過した。米国と関係が深い湾岸協力会議(GCC)内の対立は異例だ。
 日本にとって、カタールは原油、液化天然ガス(LNG)ともに3位の輸入相手国である。一方、サウジは最大の原油輸入先だ。対立の長期化は、エネルギー安全保障上も望ましくない。
 クウェートの仲介外交は難航している。日本は、米国などと連携し、対話による解決を粘り強く促すことが重要である。
 河野氏は就任前から中東訪問を重ね、独自の人脈を持つという。日米同盟の強化などとともに、中東外交を重視している。
 各国は、過激派組織「イスラム国」などと戦うには、雇用の創出や生活の安定が重要だとして、河野氏に協力要請した。企業進出や経済協力、人材育成などの分野でも、日本への期待は大きい。
 実効性ある貢献に知恵を絞り、中東との信頼関係を深めたい。

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