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【佐賀新聞】 政務活動費

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 政務活動費(政活費)を巡る不正や不適切な支出が全国各地で発覚している。地方議員の活動を支えるための制度が、逆に政治不信を増幅させるようではあまりに情けない。住民の信頼を得るにはどんな運用をすればいいのか、各議会で【ルビ注意】真摯しんしに考えていきたい。
 政活費は地方議員の調査・研究活動のため、給与に当たる議員報酬とは別に支給される。額は議会ごとに異なり、佐賀県議会では議員1人当たり月額30万円が各会派に支給されている。言うまでもなく政活費の原資は税金であり、有効に使うのは議員の責務である。
 しかし、不正や不適切な使用が後を絶たない。記憶に新しいところでは8月、神戸市議が市政報告の印刷代を不正請求した疑いが浮上して辞任した。ほかにも、埼玉県議が領収書を偽造したり、福井市議会が視察報告を使い回したりと、政活費に関わる不祥事が続いている。
 富山市議会の不正受給を取材したチューリップテレビによる『富山市議はなぜ14人も辞めたのか-政務活動費の闇を追う』(岩波書店)では、さまざまな手口の不正が明らかにされている。印刷代や茶菓子代の水増し、架空の市政報告会、カラ出張など、あきれるばかりである。
 多くの議員は適切に使っているのだろうが、公金という意識が欠如した議員の相次ぐ不正が政活費への疑念にとどまらず、政治に対する不信を招いている。こうした現状を打破し、議会の信頼を取り戻すには、使途の透明性を高める不断の努力が欠かせない。
 共同通信が全国の都道府県議会や県庁所在地市議会など99議会を対象に実施したアンケート(7月中旬~8月上旬)によると、ほぼ半数の48議会が昨年9月以降に支出ルールの見直しなど政活費に関する改革を行っている。新たに9議会が関連文書のインターネット公開を始めるなど、徐々に改善の取り組みは進んでいる。
 住民が簡単に使途を確認できる仕組みは、当然のことにしなければならない。その使い道から「議員はこんな活動もしているのか」と仕事ぶりを知る住民もいるだろうし、議員側には「理解を得られる支出でなければ」と緊張感が生まれる。透明性の確保は、公金を使う上で最低限の条件である。
 佐賀県議会に対しては、NPO法人「市民オンブズマン連絡会議・佐賀」がこのほど、全ての使途の領収書添付義務付けなど10項目の要請書を提出した。県議会は領収書添付を義務付けているが、県内の活動諸費(日額1500円)などは対象になっていない。要請を受けた事項については真摯に検討し、改善につなげてほしい。疑念を抱かれない仕組みづくりと、議員一人一人の自覚が信頼の基礎になる。(大隈知彦)

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