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【しんぶん赤旗】 国保「都道府県化」/保険料アップ許されぬ声を広げ

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 来年4月から国民健康保険(国保)の財政運営を、市区町村から都道府県に移す制度改変に向けた動きが進んでいます。運営方針が具体化するにつれ、住民が負担する国保料(税)の大幅アップの試算などが明らかになり、不安と警戒が広がっています。高すぎる国保料を払いきれない世帯が相次ぎ、正規の保険証を取り上げられ、必要な医療を受けられない人が後を絶たないことがいまでも大問題になっています。さらに国保料を引き上げることは、深刻な状況に拍車をかけるものです。住民負担強化につながる「都道府県化」の危険を浮き彫りにしています。
住民負担強化する仕組み
 国保「都道府県化」は、2015年に安倍晋三政権が強行した「医療保険改悪法」の柱の一つです。1961年開始の国保の歴史の中でかつてない大改変です。
 新制度でも、市町村が国保料を決めたり徴収したりする点では現在と変わりません。大きく変わるのは、都道府県が国保財政を一括して管理することです。市町村に負担させる金額を決めたり、それを上納させたりする仕組みなどを通じ、国保にかかる公的医療費を抑え込む役割を都道府県に担わせようというのが政府の狙いです。
 この制度変更が、住民の負担する国保料の金額に大きな影響を与えることになります。市町村が国保料を決めるのに際して、都道府県は「標準保険料率」を目安として示します。それは強制ではないという建前ですが、市町村には圧力として働きます。これまで国保料の住民負担を軽減するために市町村が独自に実施してきた財政措置などを、都道府県が“住民を優遇し過ぎている”と問題視し、軽減措置を事実上やめさせる“指導”をする事態を招きかねません。
 市町村が住民から徴収する国保料などを都道府県に上納させる「納付金」の仕組みも問題です。都道府県が一定の基準と条件で計算して決める納付金がどれだけの金額になるかが各市町村の国保料を左右します。しかも納付金は「100%完納」が原則で減額は一切認められません。そうなると市町村は住民から集める国保料の徴収を強化するしかありません。
 いまでも多くの市町村は、国保料の収納率を上げるため、正規の保険証を取り上げる「ペナルティー(罰則)」を行ったり、預金や財産を問答無用で差し押さえたりするなど乱暴で強権的な手法をとっています。「罰則」などによって、保険証がないため具合が悪くても病院で受診できず、治療が手遅れになって命まで落とす悲惨なケースが全国で相次いでいます。そんな中で、市町村に国保料の徴収強化を迫る仕組みを推進することは、住民に大きな負担と犠牲を強いる結果にしかなりません。
まともな制度へ改革こそ
 「都道府県化」の現実の姿が明らかになるに従い、制度を担う市町村から保険料アップへの懸念が出るなど矛盾もあらわれています。国や都道府県からの圧力による国保料上昇を許さず、いまでも高すぎる国保料の引き下げ、強権的な国保料徴収の中止などを実現し、国保をまともな公的制度として機能させることこそ必要です。
 国庫負担増額を政府に迫るとともに、今回の国保改悪から住民の暮らしを守る世論と運動を全国の自治体で広げることが急務です。

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