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【八重山毎日新聞】 中国の尖閣強奪はあるのか

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国有化5年、日中のにらみ合い続く
 ■国有化に市長も積極関与
 北朝鮮の核実験やミサイル発射で緊張が続く中、尖閣諸島が国有化されて11日で5年が経過した。
 思い起こせば中国漁船による巡視船への衝突事件を機に領有権をめぐる対立が激化する中、2012年4月、訪米中の石原慎太郎都知事がワシントンでの講演で、「尖閣諸島を中国から守るため」と称して東京都が購入する計画を突然ぶち上げた。
 「なぜ東京が?」の疑問もある中、これにいち早く賛同したのが尖閣を行政区域に持つ中山石垣市長だ。1週間後には都知事と面談して賛同を伝え、管理のための寄付口座も開設した。
 石原都知事や中山市長らにあおられて当時の野田民主党政権も5カ月後の同年9月、3島を20億5000万円で買い上げ、国有化に踏み切った。
 しかしこれに中国が激しく反発。以来中国公船の領海侵入は国有化後急増して常態化。尖閣の海では石垣海上保安部巡視船と連日、にらみ合いの神経戦が続いている。海だけでなく空も中国機に対する自衛隊機の緊急発進(スクランブル)が急増している。
 ■中国軍が尖閣を占拠?
 いわば市長らが関与した国有化が中国の強硬姿勢の口実となり、今の激しい対立になっている。それを安倍政権や中山市長らは「わが国周辺にかつてない脅威が増している」と今にも中国が攻めてくるような不安をあおり、安保関連法制定や米軍の辺野古新基地建設、宮古・八重山への自衛隊配備に巧みに利用しているのは違和感がある。
 そういう中で10日の本紙に、中国が海軍陸戦隊(海兵隊)を独立性の強い組織に格上げし、尖閣諸島の占拠作戦を視野に入れている可能性があるとのドキッとさせる報道(北京時事)があった。台湾国防部の報告書を基にした観測記事だが、一方で同報告は「中国が尖閣上陸を想定しているかどうかは明確に触れていない」ともしている。
 よく自衛隊配備に絡んで石垣でも誘致派が「中国の武装漁船団が尖閣を占拠する」と喧伝するが、果たして中国の尖閣強奪あるいは占拠はあるだろうか。多くの識者によればその可能性は限りなくゼロに近いという。
 ■自衛隊は尖閣に配備せよ
 たかが尖閣のために世界第2位の経済大国中国が日米を相手に国を破滅させる戦争をするほど愚かでない。それは好戦的なトランプ米大統領でさえ、北朝鮮からどんなに挑発されても本格的な戦争になる武力行使を避けていることで明らかという。
 尖閣への領海侵入も、あくまで人口10億人余の巨大な国を統率するためのアピールというのが識者らの見方だ。
 現在尖閣は陣容、装備とも巨額の税金を投じた海上保安庁の空と海からの24時間監視体制でしっかり守られている。石垣や宮古に最新装備の巡視船を次々投入、1航海で1隻1000万円ともされる燃料費をかけて連日連夜4隻以上が尖閣を守っている。
 それをあえて武力で守るというなら自衛隊は多くの市民が嫌がる石垣、宮古でなく尖閣に直接配備すべきだ。しかし武力による紛争解決は不幸を招くだけだ。国有化から5年、解決にはまだまだ波高しだが、時間はかかっても外交努力で平和的に解決すべきだ。

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