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【京都新聞】 少年ネット犯罪  「落とし穴」に目向けて

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 少年や少女がインターネット犯罪の加害者になっているのが気がかりだ。
 ツイッターを使って人気アイドルグループの公演チケットの譲渡を装い、現金をだましとった疑いで京都の中学3年の少女が書類送検された。
 少女がネットで接触してなりすました女性を、徳島県警が誤認逮捕したことで、捜査のずさんさが問題になっている。しかし一方で、まだ中3の少女がどうして、という感も強くする。
 未成年の少年少女たちにとって身近なネットだが、いとも簡単に犯罪に近づく危険がある。取り返しのつかない「落とし穴」に陥らないよう、大人たちはもっと目を向ける必要がある。
 今年6月、「ランサムウエア」と呼ばれる身代金要求型ウイルスをつくったとして、大阪の中3男子生徒が不正指令電磁的記録作成の疑いで逮捕された。
 独学で作成し、会員制交流サイト(SNS)に「ランサムウエアをつくったよ」と大っぴらに投稿している。ネット上にはウイルスを作成するフリーソフトが出回る。犯罪の意識は薄く、自分の力を試し、誇示するのが目的の少年もいるという。
 昨年中に不正アクセス禁止法違反で検挙された200人のうち14~19歳が31%、62人と最も多い。動機は「好奇心を満たすため」が45%、アクセス先はオンラインゲーム・コミュニティーサイトが40・5%で、いずれもトップだ。年代別の分析ではないが、少年たちの意識を映し出しているとみていいだろう。
 警察庁が示す事例には、スーパーの商品にいたずらする映像の投稿のほか、ネット管理の学校成績などの不正入手、自動的に110番通報するウイルスの拡散などもある。重大な事態を引き起こすという想像が及ばないのだろう。
 内閣府が10~17歳を対象に調査したところ、80・2%がネットを利用しており、小学生でも60%を超える。利用時間は平均154分に上る。気になるのは保護者との意識のギャップだ。 ネット利用の家庭ルールを、保護者は80%超が決めていると考えているのに、子どもは65%にとどまっている。
 ネットは家庭や友だちの枠を超えて、だれもが利用する公共空間だ。社会のルールが及ぶことを、大人が家庭や学校で子どもたちにきちんと説明し、理解を助ける必要がある。ネットの知識は子どもに負けるかもしれないが、人生の先輩として話しかけてみたい。

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