Home > 社説 > ブロック紙 > 河北新報 > 【河北新報】 山形大アカハラ自殺/大学の対応疑念深める
E050-KAHOKU

【河北新報】 山形大アカハラ自殺/大学の対応疑念深める

そう思わないそう思う (+1 点, 1 投票)
Loading...

 リチウムイオン電池や有機ELなど、最先端の研究に注目が集まるキャンパスの片隅で「事件」は起きていた。
 2015年11月、山形大工学部4年の男子学生が自ら命を絶った。大学が設置した第三者調査委員会は16年6月、指導教員だった40代の助教によるアカデミック・ハラスメント(アカハラ)が自殺の原因とする報告書を作成。しかし、大学が調査結果を公表することはなかった。
 教育の場でもあるはずの研究室で、一体何があったのか。全く明らかにしようとしない大学の対応が、多くの疑念と不信を招いている。
 大学が初めて学生の自殺を認めたのは、ことし8月3日。しかも、学生の遺族が助教と大学に計約1億1900万円の損害賠償を求める訴えを起こしたことが明らかになり、小山清人学長が定例会見の場で、報道機関の追及を受けてのことだった。
 記者会見で小山学長は具体的な事実関係については「ノーコメント」「裁判で明らかにする」と繰り返しただけ。学生や保護者にも、いまだに説明を拒み続けている。
 大学は16年10月、長時間の説教や不機嫌な態度を繰り返すなどのアカハラがあったとして、男性助教を停職1カ月の懲戒処分としたが、この懲戒処分に関する報道発表の際にも学生の自殺は伏せていた。約4カ月前に作成されていた第三者委の調査報告書の存在も、遺族が起こした訴訟で証拠として提出され、初めて明らかになったものだ。
 状況を見る限り、大学側は学生の自殺を1年半以上、組織的に隠蔽(いんぺい)を図ってきたと疑われても仕方あるまい。
 第三者委の報告書によると、学生は自殺する2日前、他の学生を前に行った卒業研究の発表練習会で、助教から研究内容の不備を数十分にわたり厳しく指導された上に、研究姿勢についても批判を受けていた。
 調査委は、学生は助教の機嫌を損ねると、叱責(しっせき)や人格を否定するような言葉を浴びせられる危険があると感じていたと分析。助教と2人で過ごす時間も他の学生に比べて長かったことから「延々と続くストレス」が自殺の原因になった可能性を指摘している。
 助教との関係に悩む学生の様子を心配した両親が、教員3人にメールや口頭で相談していたにもかかわらず、いずれも学部のハラスメント担当者に相談内容を伝えていなかったことも、報告書から明らかになっている。
 大学側は訴訟で争う姿勢を示し「(報告書の内容は)そのまま大学の判断となるものではない」と反論している。
 だが、自ら設置した第三者委の調査結果が大学にとって不都合な内容だから、その内容を否定するのでは道理に反する。ハラスメントへの対応は本当に適切だったのか。訴訟を理由に、説明責任から逃れることは許されない。

One comment

  1. 下がら

    大学の教職員は見なし公務員であり交付金と言う税金や授業料で成り立っているはずである。大学は国民のものでありその時々の学長らの個人の私有物ではないしあってはならない。
    学長は裁判で明らかにするというが、彼自信、なにが大学の自治であるのか全く理解をしていない、ひどいものである。
    教育機関ではあってはならない不正や隠蔽また、人権損害やいじめなど、あったのであればトップが責任を取るべきであるのに明らかに責任を放り投げ問題解決を高等教育機関が裁判所に丸投げしている。 

    学長として素質がない。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。