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【秋田魁新報】 県北豪雨から10年 共助の重要性再確認を

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 県北を中心に県内が甚大な被害に見舞われた2007年9月の豪雨災害から、10年が経過した。県内では今年7月に記録的大雨で大きな被害があり、きのうは列島を縦断した台風18号の影響で強い風雨にさらされた。こうした体験を教訓に、地域の防災体制を日頃から点検し強化していくことが大切だ。
 07年の豪雨災害は9月17日から18日にかけて発生。県北を中心に多い所で24時間で200ミリを超す雨が降り、米代川や阿仁川が氾濫。死者1人、行方不明1人、重軽傷者5人の人的被害のほか、住宅は全壊6棟、半壊226棟、床上浸水285棟、床下浸水667棟などの被害が出た。避難指示、避難勧告は計約1万2千世帯に発令された。
 雨は夕方から夜にかけてピークに達し、多くの住民は暗い中での避難を余儀なくされた。住民の一人は「皆で協力し合い、足が悪くて歩けない人をおぶったりしながら避難した」と振り返る。
 被害を最小限に食い止めるには自治体、消防、住民らが連携し、冷静かつ迅速に対応することが欠かせない。とりわけ近年は人口減や高齢化が進み、近隣の住民同士で支え合う「共助」の重要性が高まっている。大切なのは、住民たちが災害への備えを確かめ、避難態勢を随時見直していくことだろう。
 07年の豪雨で特に被害が大きかった地域の一つが北秋田市の前田駅前地区。約90世帯の大半が浸水被害に遭い、最高水位が2メートルを超えたという。地区の自治会はこれを教訓に緊急時の連絡網を整備し、住民の役割分担を明確化した。9月17日を「防災の日」と定めており、今年も防災訓練を実施している。
 隣の大館市でもこの豪雨を受け、福祉施設の連携を強化する取り組みが進められた。市内の社会福祉法人など7団体が災害支援ネットワークをつくり、毎年合同で防災訓練を実施。今年は7月に、近くを流れる川が氾濫したとの想定の下、特別養護老人ホームの入所者を車で避難所に移送する訓練を行い、万一の際にどう行動すべきかを確かめ合った。
 災害時は気持ちが動転してしまい、迅速に行動できなくなることが多い。だからこそ指示系統やそれぞれの役割分担をはっきりさせ、毎年欠かさずに訓練することが重要になる。
 7月22、23日の記録的大雨では、大きな被害があったにもかかわらず人的被害はゼロだったことが注目された。要因として、大仙市など自治体からの避難情報が早かったほか、住民が夜間、助け合いながら迅速に避難したことが挙げられる。
 07年の豪雨でも今年の記録的大雨でも、「共助」が大きな力になったことを再認識したい。自治体の会議だけでなく、地域のさまざまな会合や行事でも防災の話題を取り上げ、災害から身を守る意識を一層高めていく必要がある。

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