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【朝鮮日報】 北朝鮮危機、右往左往ばかりの韓国政府

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 米国のホワイトハウス、国務省、国防省が北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)政権に対する軍事的な選択肢について再び言及を始めた。外交的圧力の効果を高めるための駆け引きである可能性が高いが、しかし論理的観点だけから見れば「外交面での努力が実らなければ、最後に残るのは軍事行動」というティラーソン国務長官の発言にもそれなりの説得力はある。ホワイトハウスのマクマスター国家安保補佐官も「必要であれば軍事的選択肢の準備に早急に取り掛からねばならない」と述べた。さらに韓国の潘基文(パン・ギムン)前国連事務総長も「もしもの事態に備え、軍事的選択肢を含む準備を必ずしておくべきだ」と指摘している。現在、韓国国内の投資家たちの間では、北朝鮮の核問題をこれまでとは違った角度から注目する動きも出始めている。
 このような状況で韓国の外交・安全保障政策の担当者やその周辺の動きには心底懸念せざるを得ない。例えば韓国国防部(省に相当、以下同じ)の宋永武(ソン・ヨンム)長官が「金正恩氏を殺害する斬首部隊を創設する」と発言すると、文在寅(ムン・ジェイン)大統領の特別補佐官がこれに反対した。すると宋長官は「学者の立場から騒ぎ立てている。安全保障特別補佐官とは思えないほど嘆かわしい」と批判した。
 しかしその宋長官もつい先日まで「米国の戦術核兵器再配備を検討する」と明言していたものの、最近は「検討しない」と言い出した。大統領がこれに反対しているのがその理由だろうが、この重大問題を巡って国防長官の言葉がわずか数日で180度変わるなど尋常ではない。また韓国統一部は北朝鮮に800万ドル(約8億9000万円)規模の人道支援を行う方針を明らかにしているが、国防長官は「支援の時期はかなり遅らせる」としている。先月北朝鮮が発射したミサイルを韓国大統領府が「放射砲だった」と発表し、しばらくして国防部が「弾道ミサイル」と訂正する騒ぎが起こってからまだ20日しかたっていない。誰が正しくて誰が間違っているかという問題以上に、このような状態で文大統領が「6・25戦争(朝鮮戦争)以来最大の危機」と語る今の現状をどう越えていけるのだろうか。
 韓国のある外交官OBは韓国政府の安全保障政策の現状について「国内の支持者の熱気と国際社会の現実との板挟み」と指摘する。もちろんそう言えば聞こえは良いが、実際はただ右往左往しているだけだ。しかもその間に北朝鮮の核の脅威への対抗策として語られたのは「米国による核の傘」以外には何もない。核の傘という言葉や文書だけで韓国の安全が完全に守られるのなら、北朝鮮が水素爆弾を製造し大陸間弾道ミサイル(ICBM)を飛ばしても何も心配する必要はない。軍事衝突が実際に起こるかどうかは分からないが、現状ではその直前にまでいく可能性は非常に高い。この期に及んで右往左往状態が続く韓国政府のレベルでは、有事の際にしっかりと対応できるか甚だ不安だ。

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