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【陸奥新報】 衆院解散「争点は安倍政権の“信任”だ」

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 安倍晋三首相が早期解散を決断したのは、悲願の憲法改正を後回しにしてでも勝利を優先した結果と言えよう。もちろん結果は分からないが、野党の態勢が整っていない現状を踏まえれば、与党の優位は動かない。「解散の大義」を問う声や「党利党略」との批判も上がるが、情勢有利と踏んでの判断である以上、今回の選挙は「安倍政権の信任」が最大の争点となる。
 2カ月前の内閣改造の直後、「9月解散、10月22日投開票」の予測が永田町で広まっていることを紹介した。森友・加計問題や国連平和維持活動(PKO)日報問題などで支持率が急落していた安倍政権が、内閣改造によって支持率が上昇に転じれば解散に打って出る―との見立てである。
 一方、野党第一党の民進党は危機的状況にある。蓮舫元代表の辞任により前原誠司新代表を選出したものの、幹事長に内定していた山尾志桜里氏がスキャンダルの発覚で離党するなど出はなをくじかれた。その後、共産党との野党共闘路線に異を唱える所属議員が相次ぎ離党するなど、選挙準備を急ぐどころか分裂すら危ぶまれている。
 小池百合子都知事が率いる新党も未知数だ。小池氏に近い若狭勝氏と民進党を離党した細野豪志氏が新党結成で合意、民進党の離党議員が合流する見込みだ。しかし全国で候補を何人擁立できるかは不透明で、都市部の選挙区と比例に力を傾ける可能性もある。
 さらに前原氏は共産党との共闘路線に否定的で、小池新党とも競合した場合は政権批判票が分散しかねず、結果的に与党候補を利することになる。
 これだけ与党に有利な政治状況も珍しい。任期が残り1年数カ月となる中、与党内でも「早期解散」がくすぶり続けたことが布石になったとの見方もある。自民党関係者は「小池新党の動きを早め、それによって都市部の民進党議員の離党を誘発している」と分析、「ここまでではないとしても首相周辺が絵を描いた結果だろう」と解説する。
 野党の足並みがそろわないことを見越し、解散の大義も後付けするような選挙である以上、最大の争点は安倍政権の信任となろう。当然、強引な国会運営による安保法の成立のほか、加計問題などで国民の疑問に答えようとしない政権の姿勢に対し、有権者が厳しい判断を下す可能性もある。
 衆院で3分の2を超える巨大勢力を背景に約5年にわたった長期政権だが、本紙はもとより各メディアは今後、その歩みを振り返るとともに、功罪を検証することになる。有権者はそれらの情報に目を、耳を傾け、信任するか否かの1票を投じてほしい。投票率の低下は一定の支持層や組織票を持つ既成政党を利することになることも考えてほしい。

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