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【秋田魁新報】 地域づくり交付金 住民の自主性生かそう

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 秋田市は、地域づくりや地域課題の解決に取り組む町内会などに対する従来の交付金の対象を本年度、大学生や市民グループにも広げた。次代を担う若者のアイデアを実現させたり、町内の枠を超える活動を活発化させたりして、住民の自主性を街づくりに生かすのが狙いだ。
 市は2005年の旧河辺、雄和両町との合併後、市民と行政が共通の目的を達成するための「協働」と、身近な課題を地域で解決する「地域分権」を重点目標として打ち出した。こうした住民主体の自治の充実を促すため11年に創設したのが「地域づくり交付金」である。
 交付額は1~3年目まで1団体当たり年間上限50万円。市内七つの市民サービスセンターごとに配分先を決める。これまで町内の防災活動や交流事業、健康づくりなど延べ500団体が利用。本年度の予算は2500万円で、町内会などへの交付額は1センター当たり約170万~420万円となっている。
 新設した学生グループ(交付上限10万円)と市民グループ(同50万円)の枠には総額200万円を充て、住民活動の一層の活性化を図る。先月末に開かれたプレゼンテーションでは、応募した大学生の3団体全部と12市民グループのうち5団体の事業が採択された。
 主な活動内容は、学生団体では地域課題を自ら解決しようとする高校生の育成や県内企業と連携した中学生の職業体験支援など。市民グループはスロージョギングを通じた健康づくりや子どもの貧困問題対策、放置されている柿の収穫事業などだ。それぞれの活動を住み良い街づくりにつなげてほしい。
 県によると、秋田市と類似の助成制度は今年7月現在で県内に21市町村にあり、4年前と比べ5市町増えた。ビジネスの手法で地域振興を目指す「コミュニティービジネス」への補助も4市町増の10市町村になった。
 自治体による施策は、地域によって課題が異なるのに一律的になりやすい。それだけに住民自身が主体的に動いて課題を解決する手法は、少子高齢化が進む中で重要性を増している。住民にとっても地域を見詰め直し、自治や政治への関心を高めるきっかけになるはずだ。
 一方、行政も地域の課題をすくい上げ、政策に反映させる努力が一層必要になる。交付金などによる地域づくりは、住民に任せるだけではいけない。地域の実情に応じたさまざまな住民の実践例を紹介し、他地域の参考にしてもらうなど面的な取り組みが求められる。
 リーダーとなる人物がいないため、課題があっても十分対処できない地域もあるだろう。交付金の申請がないから、課題がないと捉えてはならない。地域間格差を招かないためにも、行政は相談窓口の設置で済ませるのではなく、助言者らを派遣するなどして積極的に人づくりを推進してもらいたい。

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