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【長野日報】 キノコ採り 単独入山は遭難の恐れも

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この秋もキノコ採りで入山し、遭難する事故が相次いでいる。下伊那郡阿智村では先月28日、キノコ採りに出掛けた80代の夫婦が行方不明になり、相次いで死亡が確認された。この時季はひと雨ごとに気温が下がり、休日ともなれば秋の味覚を求めて入山する人が多くなる。だが、登り慣れた里山であっても油断は禁物だ。しっかりと対策を立て、安全が第一を肝に銘じて行動したい。
本格的なキノコ採りシーズンを迎えると、山中で道に迷ったり、足を踏み外して動けなくなったりするケースが後を絶たない。この秋もそうだ。松本市三才山では60代と70代の男性が山林内で道に迷い、同市安曇では70代の男性が滑落して負傷した。いずれも無事救出されたものの、こうした遭難事故が毎年のように繰り返される。
県警によると、昨年はキノコ採りによる遭難事故が15件発生し、うち7人が死亡した。ほとんどが高齢者で、急斜面から滑り落ちて動けなくなり、命を落としたケースが多かった。マツタケなどが採取できる秘密の「シロ」を知られないため、どこの山に入るか家族にさえ伝えない人がいる。このため行方不明になると範囲が特定できず、捜索は難航する。
遭難を回避する対策として、家族に入山場所を伝えることだ。単独での行動は慎み、仲間と一緒に行動してほしい。携帯電話は必需品だ。道に迷ったり、動けなくなったら家族や仲間に救助要請するのに欠かせない。身体を冷やさないための防寒具や水、最低限の食料が用意できていれば、体力の維持に役立つ。
キノコ採りに夢中になると、つい時間を忘れがちだが、秋は日が暮れるのが早い。安全対策をおろそかにして、「もう少し、あとちょっとだけ」とばかり、欲を出して山奥に進めば、その分だけ遭難の危険性が高くなる。午後3時ごろには下山するよう心掛けたい。クマやイノシシなどの野生動物に遭遇する可能性もある。何度も登った山でも天気が急変すれば、景色が全く違って見えてきて、下山する方向さえ見失ってしまう。
高齢者は危険な場所に近づかないことが賢明だ。この時季の地面は滑りやすく、斜面ではバランスを崩す恐れがある。体力の衰えを自覚したうえで、無理せずキノコ採りを楽しみたい。

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