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【信濃毎日新聞】 衆院選に問う 9条論議 各党の姿勢を見極めよう

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 衆院選が公示された。憲法の行方を決定付ける可能性をもつ選挙である。しかも単純な「与党対野党」の構図になっていない。各党、候補の政策、主張を丁寧に読み取りたい。
 自民党は公約で改憲を6本柱の一つに掲げた。具体的な項目として憲法への自衛隊明記、教育無償化、緊急事態対応、参院の合区解消を盛り込んでいる。
 自民は過去3回の国政選挙では改憲を公約集の末尾に載せていた。今回は格上げしている。「改憲が国民の信任を得た」と選挙後に主張する伏線だろう。
 希望の党も改憲に積極的だ。公約には9条を含め改憲論議を進めると書いている。
 小池百合子代表は先日の党首討論会で、自民が公約する自衛隊の9条明記について「大いに疑問」と述べたものの、改憲に反対しているわけではない。公約発表の会見では「希望の党の存在が憲法改正の大きなうねりをつくる役目を果たす」と述べている。
 公明党は微妙な立ち位置だ。公約には自衛隊明記について「理解できないわけではないが、国民は自衛隊を憲法違反とは考えていない」とある。分かりにくい。自民の改憲論と党内の慎重論の板挟み状態が読み取れる。
 立憲民主党は公約に「安保法制を前提とした9条改悪に反対」することを盛り込んだ。安倍政権下での改憲に反対した民進党の姿勢を継承している。
 共産党と社民党は明快に改憲反対を掲げる。日本維新の会と日本のこころは逆に推進の立場だ。
 自民、希望がその他の改憲勢力と合わせて3分の2以上の議席を確保すれば、公明を抜きにして議論が進む可能性も出てくる。それは与野党の構図も揺さぶる。
 安倍晋三首相はかつて改憲のハードルを下げる96条改定を掲げ、試合のルールを途中で変えるようなものと批判されて引っ込めたことがある。今度は自衛隊の憲法明記である。改憲を自己目的とするかのやり方だ。
 首相は憲法に基づく野党の国会召集要求を無視し続けた揚げ句、臨時国会冒頭で衆院を解散した。選挙で真っ先に問われなければならないのはこうした改憲ありき、憲法軽視の姿勢である。
 憲法は政治家が勝手なことをしないよう縛りをかけるためにある。どの党、候補が重みを自覚しているか、論戦に目を凝らそう。 (10月11日)

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