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【北國新聞】 定置網漁に自粛要請 マグロ規制は支援と一体で

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 水産庁は先ごろ、資源管理を目的に漁獲規制を行っている太平洋クロマグロの小型魚(30キロ未満)に関して、石川、富山両県など20道府県に対し、定置網漁の操業自粛を要請した。今年7月からの今漁期の漁獲総量が6日時点で770トンに達し、年間の漁獲枠580・5トンを上回ったためという。
 日本は太平洋クロマグロの資源回復を図るため、中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)の国際合意に基づいて漁獲規制を行っている。このうち定置網漁については、石川、富山両県を含む20道府県が共同管理グループを構成して資源管理に取り組んでいる。
 道府県別の漁獲枠を超えたのは北海道、岩手、千葉で、とりわけ北海道は南部沿岸で9月末からの短期間に大量の漁獲があり、枠の9倍を超える540・7トンに上った。一方、石川、富山両県の漁獲量は1トンにも満たない。
 太平洋クロマグロの資源管理は言わば国際公約であり、定められた漁獲枠を守るよう努力しなければならない。しかし、漁獲量が突出した一部地域の割を食うかたちで操業自粛を要請される定置網漁業者は割り切れぬ思いだろう。
 ひとくちに操業自粛と言っても簡単ではない。定置網漁は、さまざまな魚種を捕らえる「混獲」の漁法であり、クロマグロだけを逃がすことは極めて難しく、クロマグロを捕らないためには定置網漁そのものを取りやめるしかない。とくに、これからブリ漁が最盛期を迎える石川、富山両県の定置網漁業者にとって、操業自粛は死活問題であり、受け入れるのは容易ではない。
 今回のように、一部地域の漁獲量の伸びによって共同管理グループ全体が操業自粛を求められるのは無理があり、ルールの見直しを含めて対策を講じる必要があるのではないか。同時に、規制を強化するのであれば、それに見合った支援が必要だろう。
 クロマグロの混獲を避けるには休漁するしかない定置網漁業者からは、休漁に対する収入補償を求める声があがっている。十分な支援がないままに操業自粛を要請されては、定置網漁業者の負担が増すばかりである。

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