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【茨城新聞】 衆院選・外交安保 平和と安定をどう守る

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衆院選で、外交安保政策は国際社会における日本の在り方を問う重要な争点の一つだ。安倍晋三首相は「北朝鮮の脅威は国難」と危機感をあおるが、有権者は「有事の保守化」に流れず、5年近く続いた安倍政権の外交安保政策を冷静に採点したい。
安倍政権は北朝鮮や中国の「脅威」をテコに安保法制を強行するなど日米同盟を強めてきた。一方、近隣外交を見れば、中国、韓国との間であつれきが目立つ。
どうすれば長期的に平和と安定を守ることができるのか。各野党は選挙戦で、安倍政権の外交安保政策を点検して明確な対案を打ち出し、有権者に投票の判断材料を提供するべきだ。
安倍首相は党首討論会で「日本は北朝鮮と対話し、約束し、2回も裏切られた」と述べ、米国と協調して北朝鮮に圧力を強める方針を示した。
共産党の志位和夫委員長は「(米国が)先制的な軍事力行使で対応したら、破滅をもたらす戦争になる」と主張したが、安倍首相は武力行使を含む「すべての選択肢」を持つトランプ米大統領に支持を表明した。
立憲民主党は公約で、平和的な解決に向けた「外交力」の重要性を強調し、希望の党も「制裁、圧力は挑発ではなく、対話を導く手段」と訴える。北朝鮮問題への対応を誤れば、深刻な事態を招きかねない。各党の主張をじっくり吟味して一票を投じたい。
2015年9月、自民・公明両党は国会で、集団的自衛権の行使を可能にする安全保障関連法案の採決を強行した。直後の世論調査によれば、安保法に「賛成」は34%、「反対」は53%だった。
さらに自民党は今回の公約に、自衛隊明記などの憲法改正を目指すと明記した。希望の党は安保法制を支持、改憲論議の推進を表明したが、立憲民主、共産、社民3党は自衛隊の海外展開が広がると強く反対する。
安倍政権が沖縄県の強い反対を抑え、推進する米軍普天間飛行場の県内移転についても、社民党などは激しく批判。有権者は安保法制や改憲の是非、日米同盟の形について改めて熟考したい。
自民党は公約に中国や韓国、ロシアなど近隣諸国との関係改善の加速を盛り込んだ。安倍首相は中国の習近平国家主席に対し、来年の相互訪問を働き掛けているが、南シナ海問題の対立がくすぶり、先行きは不透明。
韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領は従軍慰安婦や徴用工など歴史問題が未解決だとして、日本に前向きな対応を要求し、日韓関係も動揺。安倍首相はロシアのプーチン大統領と会談を重ねてきたが、北方領土問題では進展がない。
希望の党は公約に「中国、韓国を含むアジア太平洋地域との共生を重視する」と記したが、同党公認候補の政策協定書には「外国人への地方参政権付与に反対」と明記。党代表の小池百合子都知事が関東大震災の朝鮮人犠牲者追悼式への追悼文送付を中止したこともあり、同党の排外性も指摘される。
立憲民主党の公約は国際協調や専守防衛を盛り込んだが、準備不足のためか近隣外交に関する具体的な文言は見当たらない。北朝鮮問題の解決には、米国だけでなく中国、韓国、ロシアなどとの連携が不可欠だ。各党は選挙期間中、外交安保政策についても突っ込んだ論戦を展開してほしい。

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