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【中日新聞】 カタルーニャ 対話を重ねて道探れ

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 スペイン北東部のカタルーニャ自治州は、ひとまず独立を保留した。しかし、独立を目指す方針に変わりはない。違憲でもある。州、中央政府双方による話し合いで解決策を見いだしたい。
 自治州政府は一日、スペインからの独立を問う住民投票を憲法裁判所の違憲判決にもかかわらず強行。プチデモン州首相は独立賛成が九割に上ったとして、十日の州議会で「独立宣言」したものの、対話のため数週間、宣言の効力を凍結するとも表明した。強硬な中央政府との全面対決を避け、妥協を探る手に出た。
 カタルーニャはガウディの建築で有名なバルセロナを州都とし、スペインの国内総生産(GDP)の約二割を占める豊かな州だ。
 独立への思いは歴史に根差す。かつての独立王国だが、スペインに統一された。一九三〇年代の内戦で共和国政府を支持したため、その後のフランコ独裁政権下では独自言語のカタルーニャ語使用を禁じられるなど弾圧された。中央政府への不信感は根強い。
 やはり独立を主張し、武装闘争も繰り広げた北部バスク自治州に認められている徴税権を許されていないことへの不公平感もある。
 二〇〇八年のリーマン・ショック後の経済危機で、「税金が他の貧しい地域のために使われている」との不満も強まった。民族として国が持てないクルド人、ミャンマーで迫害される少数民族ロヒンギャなどとは違い、豊かな地域ならではの思いも強い。
 しかし、住民投票の投票率は43%で、独立が民意とは言い難い。
 独立後の見通しも不透明だ。国の制度づくりや、スペインや欧州連合(EU)との新たな関係についての青写真は示されていない。バルセロナから拠点を移すことを表明した企業や金融機関も相次ぐなど、経済的な懸念も多い。
 一方、中央政府側も投票を暴力的に妨害するなど、問答無用の強硬な姿勢が目立つ。
 まずは、州、中央政府双方が冷静にテーブルにつき、徴税権や自治権の拡大などについて話し合ってはどうか。独立に関しては得失や他地域への影響について、じっくり議論を尽くしたい。それでも独立をというのなら、合法的に住民投票を実施する道を探りたい。
 スイスなどが仲介に意欲を見せているという。
 国民投票でEU離脱を決めた英国は交渉が難航、ばら色の未来を描けない。二の舞いは避けたい。  

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