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【産経新聞】 神鋼アルミ不正 技術者の良心は消えたか

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 日本の製造業への信頼を根底から揺るがす行為である。極めて深刻な事態と受け止め、官民挙げて対応を急がなければならない。
 金属大手の神戸製鋼所がアルミと銅製品の性能データを改竄(かいざん)していた。これを工場の幹部らも黙認し、10年以上前から組織ぐるみの不正が横行していた。
 出荷先はロケットから新幹線、自動車、防衛産業まで幅広い範囲に及ぶ。何より早急な安全確認が欠かせない。
 製品を購入した各社は耐久性能など安全性の点検を急ぎ、問題があればリコール(回収・無償修理)を急ぐべきだ。
 主力のアルミや銅製品の一部で、契約で決められた強度や寸法などを偽り、約200社に出荷していた。品質の偽装に加え、検査回数も減らしていた。
 国が定める基準は満たしていると説明するが、言い訳にはならないし、鵜呑(うの)みにもできない。
 工場の管理職も不正を把握しながら、納期を守るため見過ごしてきたという。業界では、まがいものを出荷することも、納期を守る範疇(はんちゅう)に入れているのだろうか。
 神鋼では昨年、グループ会社でステンレス鋼線をめぐる試験値の改竄が発覚し、再発防止策をまとめたばかりだ。素材メーカーとして、目を覆いたくなる法令順守意識の欠如である。
 影響は甚大である。同社のアルミ製品は、自動車のボンネットや新幹線の台車部分など、軽量化を図るために幅広い分野で採用されている。輸出製品にも使われている。自動車のリコールに発展すれば業績への打撃は大きい。
 過去にも不祥事でトップが引責辞任を重ねてきたが、それでも不正を断ち切れない。企業体質を根本からみつめ直し、抜本的な経営改革に取り組むしかない。
 第三者委員会による調査もおざなりのものとせず、経営陣による指示の有無など徹底して探る必要がある。
 三菱自動車の燃費データ不正や東洋ゴム工業の免震ゴム偽装など、日本が誇る「ものづくり」の信頼を損ねる事案が続く。
 その度に、なぜ現場の技術者は不正を黙認したのかという疑問が生じる。不正を許さず、技術力に絶対の自信を持つという良心や誇りは、すでに過去のものだというのだろうか。

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