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【福島民友新聞】 衆院選 復興政策/複雑化する課題に処方箋を

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 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故から6年7カ月が過ぎて復興が進む一方、残る課題は複雑、多様化するばかりだ。その解決に向けて各政党、候補者はどのように取り組むのか。具体策を示して論戦を尽くすべきだ。
 政府は今春、大熊、双葉両町を除いて居住制限、避難指示解除準備両区域を解除した。これによって県全体の面積に占める避難指示区域の割合はピーク時の12%から2・7%まで縮小した。
 県内外への避難者もピーク時の約16万5千人から3分の1の約5万5千人まで減少したが、避難指示が解除された地域への帰還の動きは若い世代を中心に鈍い。
 若い世代が地域に戻って暮らすためには生活環境を整えるだけでなく、地域の将来像を明確にしてその実現を目指すことが重要だ。帰還困難区域内に設ける特定復興再生拠点の整備を含めて、国は地元自治体をしっかり支えていかなければならない。
 第1原発の廃炉について政府は先月、2年ぶりに工程表を見直した。「30~40年後の廃炉完了」は維持したものの、主要な工程の目標時期は先送りされた。
 第1原発の廃炉は世界に例のない取り組みで作業の難易度が高く安全が最優先されるべきとの観点から、県や地元自治体は「先送りやむなし」の立場だが、廃炉は本県復興の大前提である。国は、汚染水対策の徹底も含めて東電任せにせず、前面に立つ必要性を改めて認識しなければならない。
 5年間の「復興・創生期間」は2020年度で終了し、復興庁も同時に設置期限を迎える。政府は、復興庁の機能を存続させる考えだが、具体化していない。原発事故を抱える本県だけでなく、宮城、岩手両県も20年度までの復興完了は難しい。復興庁の常設化など検討を急がなければならない。
 政府は復興・創生期間中に必要な予算を6兆5千億円と見込んでいるが、特定復興再生拠点の整備など新たな事業に加え、県産品などに対する風評対策など課題は山積している。復興庁の存続とともに財源の確保が欠かせない。
 「今回の選挙は、自分たちの暮らしから遠い話のように感じる」「事故は収束していないのに、見放されたような気持ちだ」
 野党再編による「3極対決」が注目される中、復興に関わる論戦は高まっていない。衆院選を戦う各党、候補者は被災地の声をどう受け止めるのか。選挙は政治と国民、県民を近づけるまたとない機会であることを肝に銘じ、論戦を戦わせてもらいたい。

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