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【東奥日報】 悲劇を根絶しなければ/働き方改革と電通判決

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 女性新入社員の過労自殺を巡る違法残業事件で、労働基準法違反の罪に問われた法人としての電通に、東京簡裁は先ごろ罰金50万円の判決を言い渡した。
 「尊い命が奪われる結果まで生じていることは看過できない」「労働基準監督署から是正勧告を受けたのに、増員や業務量削減など抜本的対策が講じられることはなく、サービス残業も横行していた」などと指摘した。
 2016年度の過労死は107件で、過労自殺は未遂も含め84件に上る。安倍晋三首相は働き方改革を「最大のチャレンジ」と掲げたが、突然の衆院解散により先送りとなった。法案審議は来年の通常国会までずれ込みそうだ。しかも法案の柱の一つである一部専門職を労働時間規制から外す制度を巡り、審議は紛糾するだろう。
 だが、手をこまねいていることはできないはずだ。先日公表された「過労死等防止対策白書」でも、多くの業種・職種で過労死や過労自殺の深刻な実態が浮き彫りになっている。悲劇を根絶しなければならない。企業の覚悟と取り組みが問われている。
 15年に電通の新入社員高橋まつりさんが都内の社宅から飛び降り、自殺した。労働基準監督署はうつ病発症前1カ月の残業が約105時間で、長時間労働が自殺の原因と認定。まつりさんが会員制交流サイト(SNS)などに残した「もう体も心もズタズタ」という悲痛な訴えも広く伝えられ、社会に衝撃を与えた。
 事件を機に働き方改革の議論は加速した。だが一方で、NHKの女性記者が4年前に過労死。20年東京五輪・パラリンピックのメイン会場となる新国立競技場の工事に従事していた建設会社の男性新入社員が、今年3月に自殺したことも明らかになった。
 政府は残業時間の上限規制を働き方改革の柱に据えた。労働時間などの基準を定める労基法の改正で事実上、青天井の残業時間に上限を設け、違反したら罰則を科す。ただ一部の専門職を残業代支払いなどの労働時間規制から除外する高度プロフェッショナル制度や裁量労働制の対象拡大が含まれ、野党や労働組合が強く反発している。
 衆院選では、野党再編などが注目を集め、働き方改革は先行きが不透明になったように見える。だが、働く人の視点に立って、最優先課題として取り組むべきだ。

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