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【熊本日日新聞】 外交・安保 平和と安定どう守るのか

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 北朝鮮情勢が緊迫化する中での衆院選である。外交・安全保障政策は国際社会における日本の在り方を問う重要な争点だ。
 安倍晋三首相は「北朝鮮の脅威は国難」とあおるが、有権者は5年近く続いた安倍政権のこれまでの政策を冷静に採点したい。
 一方、野党は解散によって政治空白をつくった政権を批判するが、準備不足の感は否めない。どうすれば長期的に平和と安定を守ることができるのか。明確な対案を打ち出すべきだ。
 北朝鮮問題は対応を誤れば、深刻な事態を招きかねない。
 自民、公明の与党は、第2次安倍政権発足から約4年9カ月で積み上げた首脳外交の成果を強調。国際社会と連携して北朝鮮への圧力を強化し続けると訴える。
 しかし北朝鮮は国際社会から圧力を受けながらも挑発を継続。米領グアム沖への弾道ミサイル発射や太平洋での水爆実験にまで言及している。圧力一辺倒で北朝鮮を動かせるのか。対話を否定し、軍事的選択肢をも公言するトランプ米大統領をただ支持するだけでいいのか。安倍政権の外交姿勢が問われよう。
 希望の党は民進党との合流を進める際にリベラル派を排除。公約に安全保障関連法を容認する内容を盛り込んだ。北朝鮮政策に関しては「制裁、圧力は挑発ではなく、対話を導く手段」と訴えている。
 日本維新の会は「現実に即応した外交・安保政策」を公約の柱に据え、集団的自衛権行使の要件厳格化を主張している。
 共産、立憲民主、社民の各党は安保法廃止で歩調を合わせた。北朝鮮政策も公約に「対話による平和的解決」などの文言を盛り込み自民との違いを打ち出している。
 安倍政権は北朝鮮や中国の「脅威」をテコに安保法制を強行するなど日米同盟を強めてきた。一方、近隣外交を見れば、中国、韓国とのあつれきが目立つ。
 自民は公約に中国や韓国、ロシアなど近隣諸国との関係改善の加速を盛り込んだ。安倍首相は中国の習近平国家主席に対し、来年の相互訪問を働きかけているが、南シナ海問題の対立がくすぶり、先行きは不透明だ。日韓関係も従軍慰安婦や徴用工などの歴史問題で揺れている。ロシアとの北方領土問題も、首脳外交を重ねてきたものの進展はない。
 希望も、公約に「中国、韓国を含むアジア太平洋地域との共生を重視する」と記した。ただ、党公認候補の政策協定書に「外国人への地方参政権付与に反対」と明記するなど、排外性の高さも目につく。立憲民主は公約に国際協調や専守防衛を盛り込んだが、近隣外交に関する具体的な文言は見当たらない。
 沖縄の米軍普天間飛行場の県内移設推進や、核兵器禁止条約への参加見送りといった政権の対応も重要な争点だ。活発な論戦を期待するとともに、有権者も熟考して一票を投じたい。

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